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お知らせ

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「絶対音感神話」を聞いて感じたこと

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太極拳のクラスはオバさんが多いです。オバさんの「カテゴリー」は、年齢でも性別でもなさそうです。実際、まだ子供なのに世話焼きオバさんな男の子も知り合いにいますし、私の学生時代のゼミの先生は男性でしたが、魚屋で「奥さん今日のは良いですよ」と声をかけられました。オバさんは生まれ持った性別を超えて、女子力が円熟し過ぎの人がなるのではないかと思います。
 

そのオバさん達が太極拳のクラスの後、連れ立って遊びに来ました。オバさん達はどんなに忙しくてもエネルギーとパワーに溢れています。私が自身をオバさんでないと思う理由は、すぐ疲れてエネルギーが無くなるからです。
 

レッスン室に、ピアノに縁が遠い人が来るのは初めてです。ピアノを習おうと思ってくる人でも、グランドピアノを見ると興奮します。今回の集まりでは、「ピアノを見るのは学校の講堂以来」なんて人もいらっしゃって、ピアノを見ただけで既に満足度アップです。個人レッスン用のピアノの部屋にわたしを入れて五人も詰め込まれているのに、文句も言わないで喜んで下さって恐縮です…
 

「今日は何を弾いてくれるの?」「バッハのパルティータにしようかと思うのですが…」
わたしがスタンバイしてもお喋りは止まりません。隙をついてプレリュードをとにかく弾きました。普通なら、最後のジークまで集中して弾きたいのですが…プレリュードを弾き終わったところで「凄い良い音、癒されるわ〜〜」感想とそれにまつわる話が止まりません。声もデカイ。
 

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音楽大学でも同じ光景を何回も見ました。ボディテクニックの講義、バーレッスンでもセンターでも、一つ終わるごとに「難しい~、出来ない~覚えられない~無理~身体が痛い~そんなに曲がらない~」ほかっておくと感想を口々に語り出して、しかもドンドン声が大きくなって盛り上がり先に進まない、ので先生が必死になって黙らしていました。
 

「絶対なんとかってすごいわね。知ってる?壁を叩いた音もなんの音が分かるんだって。」「それは絶対音感よ、孫が音感無くって。」(お孫さんいるんだわ、そんな歳に見えなかった、太極拳終わったばっかなのに疲れてなさそうだし)
 

いやいや、年少のお子さんは歌っても上手く音程取れないのが普通だし、壁叩いた音が階名で聞こえてもウザいだけでしょう…とツッコミも入れられないくらい圧倒されつつ会話を聞いていると、この方はお琴をされていて、和のものをお師匠さんについてシッカリお稽古されている方だそうです。思わず、絶対音感いらないじゃんと思ってしまいましたが、絶対音感ってあったら何か良いことがありそうな気がするみたいですね。
 

結局、パルティータはジークまで辿り着けないで終わってしまいました。
 

ピアノ、伴奏合わせに来たソロの方や生徒さんなど音楽関係(生徒さんの保護者様を除く)以外の方がレッスン室にいらっしゃったのは初めてかもしれません。
 

言葉では上手く言えないのですが、そうなのか、なるほど…と思うことがいっぱい有りました。コラムの内容も専門馬鹿になっているところも無きにしも非ずかも、と少し反省です。
 

ちなみに、この日のメンバーで、オバさんでなさそうな人も混じっていました。その方もわたしと同じくらいの声量で、やはり周囲に圧倒されている風で、チョット救われました。
 

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