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活動情報

コラム

2022年9月末までを振り返ってみました

西武線、[中野区 鷺ノ宮駅]、[杉並区 下井草駅] 近のMYMUSICピアノ教室です!

 


 

毎年恒例だった冬季の発表会(演奏飲食付パーティ)クリスマス会(11月、12月)⇨新年会(1月、2月)と開催時期と名称を変えながら続いて来ましたが、2021年は予定していたライブハウスが座席制限のため急遽使用不可となり、夏季発表会と同じ会場で3月に変更飲食無して開催。そのため2021年から冬季発表会3月2週目、夏季発表会8月3週目で開催時期が固まってきました。
 

お洒落すぎる入口

 

お洒落すぎる・・お店の人曰く「こんなに大勢の子供が入店したのは初めて」

 

今年の冬季発表会は、MYMUSIC会員悲願?のパーティ付演奏会を開催するべく新規会場を予約、「“タブローズラウンジ”という代官山のジャズ&シガーバーhttps://tableauxlounge.jp/で演奏会開催し、終了後“ブラッスリータブローズ”https://tableaux.jp/で食事会」というイベントの準備で奔走することになりました。
 

もちろん普通の発表会と同様の皆様の演奏の準備に加え、貸切料金26万円かかることも重圧でした。MYMUSICの場合発表は生徒保護者会が主催なのですが、会場に対して窓口になるのは私なので、食事参加人数の取りまとめや食事のメニュー等の細々した打ち合わ等、やってみたら意外大変!
 


 


 

3月13日の新春会はお陰様で大盛況!演奏会のラウンジはお洒落で食事も美味しくて大好評(小学生には分不相応な大人の雰囲気)で終了。ほっと一息入れる間も無く、師である有森直樹氏関係の「さわらび会」で成人と演奏家だけのステージで演奏が4月3日にあり、やっと発表会ら解放されたと思ったのですが・・・
 

その1週間後の4月11日、右眼に多数の飛蚊症が見られる様になり、金曜日には歯科医の右下で左眼の死角に当たるところに黒い影が・・視野狭窄かも知れず、翌月曜日の朝一番で眼科を受診した結果「網膜剥離」が見つかりました。その後は入院検査のため東京医科大で検査、保険などの手続きや入院の為の買い物、木曜日に入院するまで怒涛のような時間を過ごし、22日に緊急手術。
 

術後の回復が早く4泊5日で退院。運動や飲酒、旅行や飛行機搭乗の禁止など言い渡されましたが、ピアノの練習やレッスンはお咎め無しだったので、ちょうど1週間仕事を休んだだけで復帰できました。
 

病棟のデイルームからの展望、西新宿11階からの眺めは最高でした。

 

食材も見た目の色も毎回違うのに毎食同じ味がした、謎の病院食

 

東京医科大学水、普通の水でした。

 

やれやれと思っていたら、昨年チャレンジした「町田ピアノコンクール」再チャレンジの話が浮上。慌てて1次審査から3次審査までの3曲を用意してレッスンに伺うと、先生の気分が変わっていて・・・
 

ほっとしたその頃には、夏季発表会が意外と近づいていることに気づき(気がつくのが遅い)自分の講師演奏用はコンクール用に準備した曲のショパンのバラード3番を使い回すことにして、またまた発表会の準備で忙殺。

 

その最中に9月25日の「ソレイユジョイントコンサート」の演奏の話が。白寿ホールで演奏できるのに魅せられて素晴らしい肩書きの演奏家と混じって共演することになり・・・夏季発表会は8月21日、それから一ヶ月後のジョイントコンサートまで、気の抜けない日を過ごしていました。
 


 


 


 

というわけで起伏の多い半年でした。が、健康な時も病んでいる時も子供から大人まで生徒さん達に大事にしてもらい、諦めずに指導してくださる偉大な先生が見守ってくださり、周りに誰もいない時でも黒っぽい猫が3匹もそばにいてくれて、幸せ・・。イベントの合間に突入したおかげでやっと振り返る余裕ができたこの頃です。2022年お年末までは穏やかな日々にしたいと願っています。
 

夏の発表会のご報告と次期発表会について

西武線、[中野区 鷺ノ宮駅]、[杉並区 下井草駅] 近のMYMUSICピアノ教室です!

 

8月22日の発表会は今までの発表会に比べて参加人数が多かったこと、初参加の生徒さんが4人2回目参加の生徒さんが2人で新鮮さが増したこと、小学生パワーが凄かったこと、が特徴的でした。MYMUSICは大人と未成年が半々くらいの在籍で、その半分の子供の生徒さんが両親や祖父母と同行するので、会場は大人ばっかりの落ち着いた雰囲気なのですが、なぜだか今回に限っては、幼保と小学生の生徒さんに制圧されてしまいました。本当に楽しかったようで
会場でもはしゃぎまくっていましたが、小学生たちに至っては会の途中に「次の発表会はいつなの?」そんなに楽しいんだろうか・・・。
 

と思っていたら、カメラさんから「そりゃ楽しいよ、こんな発表会普通無いもん。ビンゴゲーム(プレゼント交換)があって、ハーゲンダッツが当たって(大人の生徒さんの差し入れ)、アンサンブルして、抽選会があって、プロの絵本の朗読があって、抽選会でプレゼントが貰えて、そんな発表会無いよ」というわけで、そのプロカメラマンが撮影現像プリントした素晴らしい写真を手にして改めて嬉しそうな生徒さん保護者さん達でした。
 

ビンゴゲーム、プレゼント交換会ですが、ビンゴになった人から好きなプレゼントを選んでいきます

 

ミュージックベルのアンサンブル、全員で合わせるのは当日までのお楽しみでした。

 

武富太郎さんの朗読、選んでくださるは、楽しかったり感動したりです。太朗さん、いつもありがとうございます。

 

トーンチャイムの演奏。新メンバーが多いせいか今回の出来は・・・イマイチ。

 

グダグダしながらも最後まで盛り上がるお楽しみ抽選会。先生からのプレゼントが抽選で全員に当たります

 

 

で、次の会をどうするのか。恒例の「三鷹スペースオブバイフォー(ベヒシュタイン)」なんと2005年から毎年冬のパーティ付き演奏会の会場として15年間毎年お世話になっていました。感染症の影響で使用不可となり、新たに会場を探し計画を暖めていた2月14日に予定していた吉祥寺のライブハウスが年明けに座席制限で使用不可GA決まり、慌てて夏の発表会会場に問い合わせたところ一ヶ月遅れで開催できるというラッキーで、VALENTINEからWHITEDAYに変更。同じ会場が3回続いてしまったので、次はまったく趣向を変えて違う会場で開催したい・・・
 

生徒(主として小学生)、保護者(主として幼保と小学生の)圧倒的な希望で「ディナー付きが良い」とういことで、ピアノが弾けるレストランを探すことになり、もう一つの案(教師として学習者にスタインウエイのフルコンを久しぶりに演奏して経験を積んで欲しい)というのは持ち越しとなりました。KMアートホールのピアノは貴重なニューヨークスタインウエイです。が、実はKMアートホールの前年まで借りていた会場のピアノはハンブルク・スタインウエイD274だったのです。

 

ピアノの機種より食事と会場の雰囲気有線ということになり、超おしゃれな(中野区 白鷺 鷺ノ宮、杉並区 下井草 阿佐ヶ谷 荻窪 の住民から見たら)代官山に生ピアノが弾けるレストランを‘ぐるなび’で見つけました。問い合わせとしたところ実はライブハウス兼シガーバーhttps://tableauxlounge.jpでした。そのため都の分煙条例のため食事が出来なくなっていたため、「営業時間前のBARで演奏」→「営業時間になった同系列のレストランhttps://tableaux.jp」へ移動してそのまま食事会をするというプランが交渉の末実現することになりました。日時は2022年3月14日です。

 

「ブラッスリータブローズ」レストランです。

 

下見の日はピアノの演奏がなくてすっかり物置状態ですが、YAMAHAです。「タブローズラウンジ」BARです。

バレンタイン会延期になりました

西武線、[中野区 鷺ノ宮駅]、[杉並区 下井草駅] 近のMYMUSICピアノ教室です!

 

JR阿佐ヶ谷駅からもバスと徒歩20分です

 

お年始に可愛らしいお菓子を頂きました

 

あけましておめでとうございます「陵くん」です

 

小学生達のバレンタイン会の準備は、「夏の発表会が済んだ後から早々に曲を決めてしまい、コツコツ練習を積んできたけど、時間があると思って難易度の難しい曲にハマって気がついたら年末年始だった組」と「さんざん迷って年末年始に曲を決めた組」に真っ二つに分かれています。大人グループは余裕がある選曲が多いのですが、年末年始を挟むと、やはりそろそろ焦りが出てくる時期です。

 

ところが…緊急事態宣言が出てしまいました。会場は吉祥寺のライブハウス「MJ.smile」を予約しており、緊急事態宣言が明けてからとはいえ座席数制限されるかもしれませんし、こちらが飲食を控えるとなると、お店の売り上げにもご迷惑をかけることになります。
 

早速、確認の連絡をしたところ、座席数を20席に制限するとのこと。生徒さんと保護者様を合わせるととても20人では席数が足らないので、急遽会場を変更することになり、夏の発表会で完璧な感染対策をしていただいた「KMアートホール」空き状況を尋ねたところ、ちょうど一ヵ月先の3月14日に終日空いていたので、慌てて9時17時で会場を押さえました。
 

このことが判明してからレッスンにいらした生徒さん達は、一か月の猶予を貰って楽勝ムードが漂い出しました。が、実は出演者生徒数が少ない場合には開催見送りとなりそうです。(少ないなら密にならなくて良いのですが、あんまり人数が少ないと格好がつかないので)
 

今より3月の方がSars-CoV2の感染リスクが下がっているとは思うのですが。それと皆様のご都合が合うことを祈るばかりです。

うがい 手洗い マスクをしながら祈ります

 

どちらにしても、Virusや感染のメカニズム、などの再確認をはじめました。地上波テレビだと2種間前の感染者数と情報の枝葉しかわかりません。他のメディアではどんな情報が発信されているのか。
 

他メディアの先生の意見も聞いておこうと思いSNSで何人かの分野の違う先生、例えば「外科・抗がん剤治療専門医から在宅緩和ケア専門医に転身したM先生」「京都大学ウイルス・再生医科学研究所准教授M先生」「分子病理学専門の大阪市立大学の名誉教授I先生」「京都大学特定教授U先生」「免疫学の「世界的権威」順天堂大学特任教授O先生」…凄い肩書きの先生達がブログどころかTwitterで呟きまくったりYouTubeに出てる…ピックアップして話を聞いてみたり読んでみて・・
 

私見ですがこの先生方は、「肩書きは十分だけど、TVプロデューサーの思惑や脚本通りに話を進めることができないためTVに出られない先生」とお見受けしました。 
 

京都大学の准教授のM先生にいたっては、動画で思いの丈を語ったあとに、ショパンのプレリュードの4番を弾いていました。昨年の仕事納めはピアノの発表会だそうです。このような先生には、ピアノの発表会がなくならないように尽力をつくしていただけるよう強くお願いしたいです。(最近お疲れ気味のようですが)

 

そして、色々見たYouTubeで話がわかりやすかった井上政康氏の著書を試しに読んでみました。
 

「怖くない」と煽っているわけではなく、新型コロナ ウイルスと加齢や基礎疾患との密接な関係や、マスメディアで報じられている注意勧告をわかりやすく説明補足している内容です。

 

本の中で衝撃を受けたこと、”SARS-CoV2は「人→人」ではなく「人→モノ→人」で感染するから密は過剰に反応することはない、3密回避で予防効果が高いのはインフルエンザ”なのだそうです。
 

なるほど今年は来年の2.3%しかインフルエンザが流行っていないことに納得。そして感染を恐れて人と合わなかったのに感染した例も理由がつきます。本当だとしたら、教室運営の際も「手指消毒」「鍵盤」と、たまに貸してくださいとお願いされる「トイレの消毒」は大切ですね。
 


 

(コロナウイルスなので、先進国で流行っている間は呼吸器系の疾患が目立ちますが、糞便の処理がイマイチな発展途上国の場合は消化器系の悪さをすると推測されています。既知の風邪でお腹を壊したりするのと同じ状態ですね。)
 

未知のVirusと言われていますが、Sars-CoV2のCoVはコロナウイルスのことで、日本にコロナウイルスの古来種は4株いて、彼等は冬に元気になって、人間に風邪をひかせてきました。
 

7番兄弟の末っ子のSARS-CoV2は、すぐ上の兄貴SARS-CoV(致死率10%コウモリ由来)やMARS-CoV(致死率40%ヒトコブラクダ由来)はよりは致死率も低いですが、(MARSは2012年から今までに、院内感染やクラスターを起こして何度も地味に流行しています。)特効薬やワクチンが無いのは同じです。
 

願うならば、運良くSARS-CoVのように存在が消えてくれるか、MARS-CoVのように、人の意識から消えてくれるか。それまでは、新型コロナとの戦いを挑む世相とうまく付き合いながら、感染しないように自衛するしかなさそうです。
 

調べていたら、怖いながらもVirusに興味を覚えてきました。次は図鑑を読んでみようと思います。こんな図鑑を見つけました。
 


 

話が横道に逸れてしまいました、申し訳ありません。そういうことは全部置いておいて、楽しみにしている子供達の為にも無事発表会ができる人数が揃いますように…と祈る数日になりそうです。

 

お菓子を撮影していたら割り込んで来た「将君」今年もよろしくお願いします。

読譜上のトラブルについて 後編

西武線、[中野区 鷺ノ宮駅]、[杉並区 下井草駅] 近のMYMUSICピアノ教室です!

 

 

読譜の問題がピアノ演奏のトラブルになりやすい原因ですが、
1)譜面台鍵盤の位置関係、楽譜と手元を一度に見る事ができない。
2)同時発音数が多く、左右の手が違う音形を演奏出来る。
3)大譜表である

 

だと思います。

 

初期導入から、効率良く楽譜を見ながら演奏できるように習慣づける事は、その後の苦労を少なくするために重要です。何故ならこれは私の経験上の話ですが、子供のとき習っていたピアノを、長いブランクの後でもう一回弾きたくなる大人の方の殆どが、楽譜を見ずに鍵盤と手元を見て弾く方法を取らないからです。

 

 

1)について: 陥りがちなトラブルは、楽譜と手元を満遍なく視野に入れるために、首を上下に動かしながら、視線が楽譜と鍵盤を行き来する事です。人は視界や視線を一定に保っている事で、脳が効率的に働きます。(踏み台に乗って高いものを取ろうとした瞬間にバランスを崩しそうになったり、冷蔵庫を開けた瞬間何を取ろうとしたか分からなくなったりは、年齢を重ねていなくても、一度は経験があるはずです。視界が突然変わる、首の向きが変わることで転倒事故が起こるのも同じ理由です。また、グランドピアノの場合は、電子ピアノやアップライトピアノより譜面台が高い位置にあり、特にお子さんの場合、見上げるような感覚で楽譜を見ていると思います。が、それは大人でも同じで、不便を知らず知らずに感じているはずです。)

 

このような癖がトラブルになる人は、フレーズや音楽の内容に関係なく、不規則に楽譜から手元に視線が移ります。練習を積む事により楽譜を覚えるか、又は手の動きと鍵盤の位置を覚えるのですが、完全な暗譜でもないし完璧なブラインドタッチでもない。危うい認知と記憶となりやすく、暗譜した自覚があるにもかかわらず、譜面を立てて本番に臨む傾向があります。また、譜面を立てているにもかかわらず、何処を弾いているのか分からなくなって、次のフレーズが出てこなくなって止まってしまったりします。

 

 

楽譜と鍵盤を交互に見る事は、演奏に不利な状態を作り出しているだけでなく、鍵盤と楽譜の間を見ている間は、演奏のために何の情報も得られない「空白の時間」を作ってしまいます。また、このようなinputをしている人は、outputが有利になるために必要な「連続した運動として記憶の定着」が難いため、一度つまづくと急に次の音やフレーズがわからなくなる…ような状況に陥りやすいのです。

 

 

2)について: 大抵の楽器は左右の指を使って一音を奏でます。歌や金管木管楽器は、たとえ手が二本あっても、息を出す口が一つなので、単旋律しか演奏できません。弦楽器は、左手で弦を押さえて右手で撥弦する撥弦楽器、弦を抑える左手と擦る右手で音を出す擦弦楽器。ピアノも一種の弦楽器とすると、打弦楽器になります。鍵盤を指で押すと内部のハンマーが弦を叩いて音を出します。ピアノは一本の指で1音演奏できるので、複数の音を一度に一人で奏でる事ができます。左右の手が関連なく動く事を要求される時もあるのです。また、メロディと和声の両方を認知して演奏することも要求されます。

 

 

3)について: 違う種類の音部記号が、上下に連結した譜表を見ることになる。音域が広くオーケストラの音域と同じ88鍵を操らなくてはいけないため、高音部記号と低音部記号、高音部記号同士、または低音部記号同士の組み合わせ、などのパターンにも対応しなければなりません。

 

なるほどここまで突き詰めてみると、ピアノの楽曲(特にクラシック音楽)を読譜できる事は、大変な能力なのだと思います。単に音符カードやリズムカードをマスターしてどうにかできるものでもないですよね。

 

 

以上inputのトラブルについて考えてみました。身に覚えがある方が多いと思うのですが、書いている私自身も思い当たる節が沢山あります。

 

それにつけても、つくづくピアノは演奏する事は大変だなぁと思います。クラシック音楽以外でのジャンルでも、ピアノは勉強する事が多くて大変です。

 

 

楽器の音楽的機能に関して、ある楽器がどのような音を出すことを意図して作られているか、あるいは,実際にどのような音を出すことができるかという点から,一般に「リズム楽器」「旋律(メロディ)楽器」「和声(ハーモニー)楽器」の三つに区分できるのですが、ピアノは全ての機能を備えているからです。その分一人だけで充分楽しめる、「お一人様が大好きな人向きな楽器」と言えるのかもしれませんが。

 

 

最初に話を戻しますと、読譜における悪い習慣を持っている学習者にとっては、その問題を解決し苦手を克服することで、反復練習による学習に比べ飛躍的に上達する可能性があります。今一度、自分の読譜の方法を振り返ってみることも、大切な練習の一環かもしれませんね。

 

読譜上のトラブルについて 前編

西武線、[中野区 鷺ノ宮駅]、[杉並区 下井草駅] 近のMYMUSICピアノ教室です!

 

読譜上のトラブルについて
 

ピアノを弾く上で譜読みはしっかりできる方が良いです。なぜなら便利(有利)だからです。
 

一般的に読譜とは、単に楽譜を「目で見て読む」ではなく、譜面を「見て」→何が書いてあるか「認知」して→「演奏」する、一連の行動が伴うことになります。つまり黙読で本を読む事とは全く違うことをすることになります。
 

譜面には音の高低と音価が書かれているので、同時に両方を理解しなければなりません。完全な暗譜演奏以外は、複数の情報を左から右に、弾きたいタイムに合わせて順々に見る目の動きと、目で見て認知した情報を鍵盤を下げる運動に変換する脳の働き、出た音を耳で聴き、脳で再確認する作業の連続です。(勿論この後、出た音を聴覚で再確認します。)
 

目で見て脳で情報を処理、部分または短期記憶=input
蓄えた情報を運動に変換、運動を長期記憶する=output
 

一人で読譜ができない人、または読譜と演奏が上手くつながらない人は、その過程の何処かでトラブルがあると考えられます。
 

では、何を解決したら効率の良い読譜力が身につくのでしょうか。整理のために思いつく問題を箇条書きにしてみようと思います。
 

読譜の最重要課題は、outputしやすい状態にしてからinputする事です。想起し難い情報をinputすると、output作業が不利になります。
 


 

ピアノの楽譜は譜面が分厚く、譜めくりが多いため、本番で譜面を立てないで演奏する機会が多く、そのためにも確かで膨大な情報を記憶する力が必要となります。つまり情報を圧縮して脳にinputする必要があるのですが…
 

※ inputの為に情報を圧縮する方法については、後術させてください。
 


 

まず、input関連のトラブルを考えてみました。
 

1)音価や高低が理解できていない、知らない。楽語を見ない、意味を知らない。
2)全ての音符を点読みする習慣
3)譜面を見ないで鍵盤と手の位置情報で記憶する習慣
4)演奏中に、楽譜を見る視点が左から右に滑らかに動かない
 

‘1)音価や高低が理解できていない、知らない’は、「リズムや音名のフラッシュカード」や「音名の書きとり」の問題集をしつこく行う事で解決できそうです。子供の場合ピアノ歴が長くても、意外なほど音名がスラスラ出て来ません。楽語についても日常的に使用する楽語は、楽典の問題集には必ず出てきます。全てピアノから離れた机上で、充分に養う事が出来ます。
 

主催教室内で私は、前に書いた音をヒントに次の音を書かないように、口頭で音名を答えさせてまが、うっ!と言葉に詰まる場面を頻繁に見ています。習い始めから繰り返し練習してもこの程度なので、子供にとっては音を読むだけでも重労働なのでしょう。
 


 

‘2)全ての音符を点読みする’の問題点ですが、点を見るように一つ一つの音を理解できるようになったとします。しかし、こ存在する音と音価、複数の旋律や和音を構成する音を一つづつ拾っていては、構造が把握できず、練習しても何を弾いているのか判らない状態が続きます。そうならないよう、近年出版された教則本の導入段階では、音の高低を前後の音の相対関係から認知出来るように工夫がされています。これを「線読み」と一般的に呼んでいます。
 

音数が多くなるにしたがって、線読みだけでは対応して出来なくなり、「面読み」でなります。「点→線→面」と視覚の範囲が広がり、認知出来る情報も増えます。が、認知より先にまず「見る」ということが大切になります。(私が通っていた速読教室でも、書いてある内容を把握することより先に視野を広げ「黙読しないでただ見る」訓練をしました。)まず、見る事が出来ないと、その先内容を認知することができないからです。
 

一つ一つの音情報を一々覚えていたら、情報量は膨大になります、結果は、弾いているうちに認知が追いつかず混乱する、瞬間的に次を忘れる(ホワイトアウト)という症状を起こしやすくなります。そのため、ピアノの読譜は「情報を圧縮してinput」する必要があります。
 


 

‘3)譜面を見ないで鍵盤と手の位置情報で記憶する習慣’は、導入から引きずっている事が多い難問です。最近の教則本は大変学ぶ側に都合よくできていますので、’丸暗記→反復練習’をさせないように工夫されています。が先に書いたように子供にとり「抽象的」な楽譜を読んで理解することは重労働です。彼らは楽をするために、視覚から入った情報でなく、まず耳で音を認知し、その情報を「鍵盤を押す手順」で覚えようとします。主な練習方法は反復です。読譜が出来る人とは、練習過程で全く違う経過をたどることになります。
 

また、「鍵盤を弾く+楽譜を確認する」が困難な人もいます。楽譜で音価と音高が分かっていても、ピアノに向かい合った瞬間、鍵盤から視線を上げる余裕がなくなり、楽譜が視界からすっかり消えるだけでなく、存在すら無いことにされてしまいます。弾いていてわからなくなった時も、手を止めて楽譜を確認することができません。こうなってしまうと、楽譜に全ての音名を書き込んだとしても、どれだけ楽譜を見るよう促しても、楽譜を避けようとします。
 

たとえ音や指遣いが分からなくなっても、自分の記憶を頼りに思い出そうとして譜面を確認しないため、「音やリズムを間違えて覚えやすい」「演奏に向かない効率の悪い指遣いを覚える」こともあります。そんな場合でも「間違えて覚えてしまった時に修正が難しい」。曲の途中から弾けず、曲頭から全通しの練習しかしなくなると「弾けるようになるまで、膨大な時間と労力が必要になる」。さらに、練習中に弾けるところは端折って弾く習慣が出来てしまうと、「tempo感や拍節感が乏しい演奏になりがち」です。
 

‘4)は、鍵盤と手元を見ていないと弾けない’タイプです。押す鍵盤の位置と手順は、一曲分覚えるとすると、累積し膨大な情報量を記憶することになります。当然記憶が飛ぶ確率が高くなるのです。解決の近道はブラインドタッチの習得です。目を閉じても天井を見ても弾けるようになったら、譜面の楽譜を追いながらでも弾ける筈ですし、「手順と鍵盤の位置の記憶→空間の認知や運動と筋肉の記憶」と記憶の内容が変わり、演奏に対してより有利になります。
 

後編では、問題のある読譜が、何故ピアノ演奏全体のトラブルに結びつくのか、考えてみたいと思います。

 

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