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お知らせ

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演奏する事の意味

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先週で終わったドラマですが、ピアニストとサラリーマンの夫婦が養子縁組する話が放映されていました。主人公がピアニストなので色々考えさせられたり、それはちょっと・・・と思ったりしながら、結局最後まで見てしまいました。
 

ピアニストの妻は、コンクールに落ちまくっていて心根が腐ってきているという設定。由緒あるピアノコンクールには年齢の上限があるのですが、それに差し掛かりそうな年齢という事らしい、私自身はそこまで頑張ってなかったのですが、確かに30代のピアニストが、受けるコンクールがなくなってフリーター状態になり、鬱になったり引きこもりになったりする話は、何処かで聞いた事が有るような無いような…
 

生徒を教えていても、反抗的な態度を取る子供の生徒にイライラを募らせトイレで叫ぶ毎日。
子供という生き物は、常にご機嫌でいたい性質なので、不貞腐れたり愚図ったり反抗したりする時は、相当疲れているか頭の中がいっぱいいっぱいか、その両方で疲弊している時、そんな相手を目の前にしたいい大人が被害者面するなんてとんでもないと思うのですが、こういうピアノの先生もそこら辺にいそうです。
 

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主人公は、普通にピアノを勉強していても中々届かない夢、オーケストラとの共演ですら、不貞腐れてつまらなそうです。音楽を続けることに協力的な夫にも「もうやめたい」と言いそうになっています。
 
 

もともと、ピアノコンクールは若手の登竜門として育成の手助けとして存在しているわけで、コンクールに入賞できなかった人を世の中から退けるためのものでもなく、最近はプロ、アマの垣根を越えて年齢制限のないコンクールもあります。つまりは人材育成や才能のある人の発掘のためのもので、主人公のように、すでに演奏家としてデビューしている人が勉強の一環として受けて、ファイナリストになれないことも結構あるので、コンクールに受かることばかりに執着するのも変な話です。
 
 

自宅のレッスン室は全く防音を施していない状態で新品同然の「sigeru kawai」のピアノ。YAMAHAでなくKAWAIのグランドピアノがドラマで使われていたのも驚きです。最近特にブランディングに頑張りだした「sigeru kawai」。いい宣伝になります。お粗末なレッスン室で音がだだ漏れだったせいで、浮浪児がピアノの音に惹かれて自宅の庭に現れるところからストーリーが展開します。結局主人公は、「体裁のよい言い訳」を見つけて自分の目の前にある音楽や楽器と格闘することから去ってしまいます。
 
 

この主人公が、暗い顔をして呟くシーンがドラマの冒頭にありました。「私が演奏することに意味があるのでしょうか?」
 

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大人の生徒さんで、「自分は学びや発見が楽しいので、発表会で演奏するのは二の次なんです」という方もおられます、少数派ですが。ほとんどの方は‘弾きたい派’です。ちょうど発表会の前に始まったドラマでしたので、感化されて「私の演奏に意味があるんでしょうか?」なんて生徒さんが言い出したら発表会が成り立たなくなっちゃう!!って焦ってしまいましたが、事なきを得てよかったです。
 

私も何年か前から師事しているA先生にソロリサイタルを行いように勧められています。先生の誘導に従って譜読みし小さな本番を重ねているうちに。恐ろしことにレパートリーができてきました。今までジョイントリサイタルばかりだったので、一人でコンサートをすることになったら、結構な人数の知り合い知人が駆けつけてくれそうです。
 

「私が演奏することに意味があるのでしょうか?」
 

それこそ、音楽大学の教師として席があったとしても、コンクールで一緒に受ける方はコンクールプロみたいな院生に揉まれていた経験もあるので、自分よりも若くて勉強して技巧がうまい人は星の数ほど見ています。
そんな中、先日A先生が他2人の方とジョイントリサイタルをすることになって、自分の生徒さんと聴きに行きました。相変わらずというのか、演奏のスケールが大きく、音がうなるようで、倍音の響きが半端ではない!他の演奏家の方も素晴らしいのですが、音色がクリアで、最初の1音弾いただけで、もう存在感がすごかったです。
 

ご一緒してくれた生徒さんもとても感動していました。「A先生のソロだけでもっと聴きたかったです。」と言っていました。
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A先生の元に演奏後ご挨拶に行きました。A先生から「長尾さんのリサイタルもこの会場がいいのではありませんか?」と言われてしまいました。素晴らしいA先生の演奏を聴いた後で「私が演奏する意味があるのでしょうか?」。ところが一緒にいてくれた生徒さんが「先生(私のこと)もソロでリサイタルやればいいのに、聴きたいです、なんでしないんですか?」と聞かれました。
これはこれ。それはそれ・・ということで、どうも別腹らしい・・・
 

意味なんて難しいことを考えなくても、とりあえず弾きたかったら会場を取って練習すればいいのでしょう。期限を切らないと練習もはかどらないし・・私の場合は応援してくれて楽しみにしてくれている人がいるので、それに答えたいというところが結構あるのですが。

 

例のドラマは、‘アラフォー目前にしてお腹の大きな奥さんを抱えたプー太郎の主人公の弟’が「調律師になる」と宣言して終わりました。一家の大黒柱になる人が家族を置いて無給で何年修行する気なんでしょうか・・・無理っぽい話で終わりました。音楽やピアノに関してはリアリティがあるような無いようなドラマでした。
 

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