歌舞伎を観ました
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歌舞伎の舞台では、まずはその美しい緞帳が目に入ります。開演近くなると緞帳が上がり、これぞ歌舞伎の定番「定式幕」という、幕を引く人が左右に開け閉めする「三色の縦縞模様の幕」が現れました。これらの写真は前回アップしましたよね。
座席を確認したらば、直ぐにチェックにいったのがレストランのメニューとお弁当。35分の休憩時間に話のネタ作りのため「幕の内弁当」を食べるかどうか…開演12時〜終演16時05分の長丁場ですから、なにかを食べる必要があります。結局は持参のコンビニお握りを食べることに。
開演までの時間を有意義に過ごし思い残すことなく、席に着きます。
増穂忠臣蔵と梅雨小袖昔八丈のあらすじ画像は↓
http://www.ntj.jac.go.jp/kabuki/news/3148.html
増穂忠臣蔵は、主君がお家乗っ取りと妹姫横取りを企てた悪者を、イキナリ成敗し山場を迎えます、そして忠義の家臣に主君が胸の内を明かして観客の溜飲を下げ、別れのシーンで涙を誘う…それからが長い、いつまでも別れを惜しんで終わらない。異様にコーダが長い曲を聴いているよう。しかも忠義者への選別が虚無僧セットとはね。高師直邸の図面を持たされて旅立ちますが、高師直は歴史上でも名だたる悪党で、物語上でも敵討ちされて仕方がない人物のようです。
太郎さん一押しの片岡亀蔵なる役者さんの佇まいが凛として、黙して語らずな忠義の人を素晴らし演じているのが素人目でも感じしました。名役者らしいです。
人形浄瑠璃を元ネタにしているため、楽曲の名称は長唄ではなくて浄瑠璃となります。浄瑠璃は三味線を伴奏楽器として太夫が語る形式です。単なる唄でなく、セリフや仕草、情景描写に及ぶため、唄とは呼ばず「語りもの」というそうです。黒御簾越しに聴こえる演奏より、舞台脇の赤い毛氈の上で語られる方が、当たり前ですけど迫力と存在感があります。…と、これで長唄と浄瑠璃の違いがわかるようになりました。
それにしても、舞台上の三千歳姫のお琴とお三味線のコラボ!絶妙でした。
梅雨小袖昔八丈は「世物語」(町人社会を描いた写実的で現実性の高い歌舞伎脚本)で主人公の名前から髪結新三と呼ばれています。今回は新三が忠七を嗾す「白木屋見世先の場」から、源七の復讐を受ける「深川閻魔堂橋の場」ですが、もっと長い入り組んだすじで、最後の方では大岡越前が登場する話らしいです。
元から歌舞伎脚本なので、演奏は浄瑠璃ではなくて唄いものとして歌舞伎の伴奏音楽として発展した「長唄」になります。
演奏者は「唄方うたいかた」と「三味線方」に分かれます。三味線方以外の楽器や演奏は「鳴り物」といって唄方や三味線方と一緒に演奏すると出囃子、黒御簾越しだと下座音楽に含まれますが、どちらの場合も囃子方と呼ばれます。
風雨などの自然音や人の足音を表現する効果音もあります。髪結新三の劇中の風雨や雷、不安な空気なども下座音楽、囃子方の出番です。
髪結新三の冒頭「白木屋見世先の場」では、可愛らしい子役も登場します。プログラムを見たらば本名でしたので誰のお子さんかわかりませんでしたが、きっと出演している役者さんのお血筋に違いありません。
ところで、コラムを書くにあたり、うんちくばかり増えてきました…
人の良さそうな新三が本性の悪党に豹変するところ、大家さんには頭が上がらず、気の毒な小悪人に成り果てるすがた。新三役は難しいそうです。
最も魅力的だったのは大家さん。話がわかるふりをしながら迫力で新三をやり込め、阿吽のタイミングで観客から笑いを取り、まさに引き込まれる演技でしたが、これまた片岡亀蔵さんの演技でした。
静かな佇まいの忠義な家老から、35分の休憩挟んで
抜け目ない大家さんに化けていました。
浮世絵チックな平面的に見える舞台の所謂ホリゾントの奥行きが思ったより広くて、回舞台が奥の方からガーっと回ってびっくりしたり、重そうな衣装や姫君や娘さん役の女形の美しさにうっとりしたり、(デカかったけど)
立ち振る舞いの滑らかさや素晴らしく枯れることがない泉のように次から次に湧き出てくるような声や声量に感動したり…日本の伝統芸能恐るべしです。
可愛らしい子役さんの正体が判明しました。
(最後に…以上は歌舞伎素人である個人の感想だということを付け加えさせて下さい。)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180319-00151761-nksports-ent
2018.03.19│コラム