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お知らせ

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ピアノ演奏、または演奏のためのプラクティスが脳に与える影響について

西武線、[中野区 鷺ノ宮駅]、[杉並区 下井草駅] 近のMYMUSICピアノ教室です!

 

中央線沿い「阿佐ヶ谷教室」もご贔屓に!

 

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ピアノを弾いたことがない人からよく言われることがあります。「両手がバラバラに動くなんて信じられない!」。少しでもピアノを弾ける人にとっては「そんな事で驚かれること事態が信じられない!」でしょう。両手が違う動きをする、違うリズムを奏でる、両手で違うメロディーを弾く、は、導入期間からずっとやり続けているプラクティスだからです。では、ピアノが弾けない人(特に音楽未経験者)とピアノを弾ける人とは、どうして器用さに差ができてしまったのでしょう。
 

さて、クラシックやジャズ、ポピュラーのジャンルを超えて、ピアノ演奏は他楽器より多くの情報を処理し続けて演奏しなければなりません。
 

それはピアノがオーケストラと匹敵する「広い音域」があり「同時発音数が桁外れに多い」楽器であることに起因しています。演奏者は美しく「メロディー」を弾くだけでなく一人で「ハーモニー」を奏で「リズムをキープ」する役割まで引き受けます。バロック音楽では通奏低音、ジャズでは左手でベーシストのの代わりまですることがあります。そして歌や管楽器でしたら1人1パートですが、ピアノ、オルガンなどの鍵盤楽器は1人多声部を演奏することが可能です。ピアノという楽器を演奏することは「できることが多い」分だけ「やることが多い」、沢山のことを整理するための「知識やロジック」も必要で、つまりはものすごく「頭を使う」ことになるのです。
 

これがピアノ学習者にとって、時に険しい登り坂のように聳え立って見えたり、またはその先に魅力的で美しい世界があるように思えたり・・・。で、個人個人の練習に割ける時間はまちまちであっても「ピアノを弾く生活」や「ピアノ仲間」がいる人生にはまっていくのだと思います。
 

 

 

ピアノを習得するのに最適なのは幼少期と言われています。早くから始められる環境とご本人の成長(ピアノは子供用の軽い鍵盤や小さな楽器がないので)が備わっていればそれに越したことはありません。手がしっかりしていたり先生の指示をなんとなく聞き分けられたら、3歳からでも多くの教室では受け入れてくれるはずです。早ければいいというわけではなく7歳で初めたら7歳としてのピアノとの出会いが、9歳でしたら9歳の人にふさわしい出会いがあるはずです。(3歳ですと感覚に直接に訴えかけることが出来ます。それが就学児になるとロジックや知識に訴えかけた方が理解が早くなってきます。脳の成熟度が変わるからでしょうね。)
 


 

さて、ピアノを弾く人にとって高い頂に上りつめた人、「ピアニスト」はどうやって左右の10本の指を目にも留まらぬ速さで動かし、左右の手を別の生き物のように操り、長大な難曲をいともたやすく華麗に演奏できるのでしょう。近年まで「ピアニストの超絶技巧」は大いなる謎でした、が最近少しずつベールが剥がされてきました。いくら天才でもピアノを習い始めた直後から「超絶技巧」になるわけではないのですから、幼少期から大人になるまでの「たゆまぬ練習」によって培われたものであるのには間違いありません。
 

実は1995年くらいから、ピアノストとそうでない人の決定的な違いは「指や手の筋力」でなくて「脳」にあることがわかってきました。1980年頃から脳の機能を調べる装置が飛躍的に向上しピアニストを被験者にした実験や研究が行われるようになったからです。同時に幼少期の人にとって「ピアノの練習が脳にどのような影響を与えるのか」の研究も始まりました。
 

研究の結果は、ピアノを練習した子供たちはピアノが弾けるように「脳を最適化」していることがわかりました。ピアノの練習をした子供たちは、脳の比較的表面にある神経細胞が増えたのです。この神経細胞はミエリンという鞘に包まれていて20歳ごろまで発達します。この発達の仕方が運動能力や認知機能に影響することがわかっています。「子供の習い事はピアノとそろばん」とは昭和時代から言われていましたが、「手と頭を両方使うこと」が子供の成長に良い影響を与えることが科学的にも立証されたのですね。
 

詳しくはこの本を参照にしてくださいね。 古屋晋一氏は、音楽を愛する全ての人が、心に思い描いた表現を身体に無理なく創造することを実現するため、音楽演奏の脳神経メカニズムや身体運動・感覚技能の熟達支援,音楽家の脳神経疾患について研究し,その社会実装に取り組んでいるのだそうですね。

 

この本は2006年に出版、古屋晋一氏が訳しています。氏はこの分野によほど興味がある研究者のようです。

 

ピアノは「指が早く正確に動けばそれで良し」というものではありません。加えて前述したハーモニーを聴き分けたり、リズムを感じたり、メロディを歌うために必要な「聴覚」。クラシックの場合は楽譜から音楽を読み取らなければなりませんので「視覚」。目で見た楽譜を運動に変換する能力、つまり「視覚→運動」。弾いた音を聴いて修正する能力「聴覚→運動」。頭をフル回転しないと演奏できないのです。大人の生徒さんが「ピアノを弾くと楽しい、ストレス発散になって頭がスッキリする」と頻繁言われます。「普段使いでないところの脳を使う」ということが影響しているのではと思われます。ピアノを練習することや発表会などの場で人前で演奏することは、集中力も高めます。成長期のお子様にとってピアノ演奏や習得するための努力をすることはかけがえもない経験になるはずです。
 

余談ですが、これまで記載したことを踏まえると、ピアノ演奏することはどう考えても容易ではありません。ですから、ご両親様や保護者の方々が日々の練習において、絶えず励ましサポートすることは大切で、またそのことが生徒さん以外のご家族様にとっても音楽に触れるきっかけになり「お子さんが習われるということで、ご家族で音楽のある生活を楽しめる」。そのような家庭環境ができればとても素晴らしいことだと思います。
 


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