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お知らせ

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譜読みと初見演奏について

知らない曲や初めて見る譜面を演奏する「初見」の能力。音楽大学では、ピアノ科の入試課題にあったりなかったりします。私の受けた大学では初見の試験がなかったので、その訓練をスルーしてしまいました。受験で苦労しなかったし、ポピュラーを弾いていた期間はメロ譜という「メロディーとコード記号だけ」の譜面を見ていることが多かったので、大譜表の初見にすごく苦手意識がありました。初見の能力が高ければ譜読み期間も短くて済むので、初見が利く友人が羨ましいと思ったことが多いです。

 

ところで、U先生から譜読みの時について言われていることがあります。「正しい拍節の中で弾くように、その曲のイメージが分かる速さで(極端に遅く無く)弾くように、譜面に書いてある通りに鍵盤を順番に押す作業にならないように、音を抜いても外してもいいから横で聴いている人にも音楽が伝わるように弾くこと・・・」。先生は「音を抜いても外してもいい」というので完璧主義でないと仰りますが、これだけ「・・・するように」があると完璧主義なんじゃないかと思います。木彫りで人形を掘り出すことに例えて「最初から正しい位置に目鼻をつけないと、やり直しがきかない」からだそうです。

 

私も自分の生徒さんから「先生のように譜面を見ただけで、音楽が分からないから、譜読み=鍵盤を押す作業になってしまって、遠回りをしてしまう。」と言われます。自分は生徒さんを前にして初見でどうやって弾いているかというと、「ちゃんと弾くとテクニックが難しそうな音は抜いて、多少音は外しても自分の伝えたいことが分かるように」弾くので、そんな時はU先生のいうことにも納得します。じゃ、最初に譜面を見て弾いてみて「自分のイメージ通りに行かない、またはイメージすら分からなくなったら・・・」私はそんな時、粘土細工の人形を作るように考えればと思います。ものすごい開き直りですが、最初は訳が分から無くても、捏ねているうちに段々と形になってくればいいと思うのです。

ところで、船越桂さんという木彫りの彫刻家の人をご存知でしょうか?

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直木賞受賞作「天童荒太・悼む人」の表紙で作品を身近に見ることができます。彼が言っていたことに衝撃を受けました。

 

木彫りの最初の作業は、四角形の角材のそれぞれの四方に「正面から、横から、後ろから」見た絵を書いて、チェンソーでいらない部分を削っていくそうです。船越さんはテレビ番組で話していらっしゃいましたが、「まずは、いらないところをのこぎりで落としていくだけなので、最初は頭部の丸みも無くて、そこから丸物になるまでの間は絶対人に見せたく無くて・・真四角な状態で鼻や顎の大雑把な形がある、まだ左右の端が出っ張っている状態の中、目だけ深く掘ると変な形態が出来上がってくるので、その間は人にも見られたくないし、自分でも本当に才能がないんじゃないのかな・・と思う時間がある。」

 

そうなんですね。譜読みも焦ることないか・・

 

 

 

 

 

 

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