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お知らせ

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導入期の教則本選び…後半

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前回はドイツの本からバイエルと、フランスの本からメトードローズを紹介しました。

 

近年は日本の指導者が良書を出版していますし、アメリカの教則本もとても使い易いです。

 

日本の本は、初めから日本の子供向きに書かれていますので、曲名や挿絵が子供たちに共感されやすいです。日本の子供の発達に合わせた教材としては、一番なのではないかと思います。実績のある先生の経験が詰まっているので、導入がとてもスムースです。

 

アメリカの教材はとにかく分かりやすいし、これから教材を使っていく子供達に親切です。アメリカの子供の方が日本の子供より多少不器用な傾向があるので、余裕がある進み方です。

 

大きな利点は「ドレミ」の階名だけでなくて英語の音名表記に触れることで、コードネームにも慣れることができます。

 

教材のお国柄も大きい特徴となるほか、最初の導入も大きな特徴になります。

 

1「最初は5線より少ない線の楽譜を使う」

 

2「黒鍵から触れていき慣れてから白鍵を弾く」

 

3「最初から大譜表から始めて、中央のドから上下の音を順番に覚える」

 

4「高音部譜表(右手)、低音部譜表(左手) が、ばらばらで出てきてから大譜表に進む」

 

1の、楽譜は、「同じ音か、隣の音か、上っているのか下がっているのか、一個飛ばしなのか、」を線で読んでいく譜読みの仕方に最初から慣れるために簡略化した楽譜で刷り込みをします。ペースメソッドのように読譜力を重視するメソッドのやり方です。

 

2の、黒鍵からはじめると「黒鍵アレルギー(黒鍵を弾くだけで難しいと思ってしまう)」がないから良いとか、出っ張って触りやすいので「黒いところだけ弾いてね。」と指導した時に外さない。とかメリットがありそうです。

 

黒鍵の「二つ」と「三つ」を最初に意識するのも良いことだと思います。

 

また、ピアノでの「自由な即興」、パーカッション的に音を鳴らしてみながら、「音の高低や短い長い、リズムを感じる」というやり方での導入がしやすいです。

 

ただし黒鍵で導入する教則本でも、ずうっと黒鍵ばかり弾いているわけではなく、ちゃんと白鍵に降りてこられるように作ってあります。

 

3の、真ん中の「ド」から五指が鍵盤に乗る状態で、右手が「ドレミファソ」左手が「ドシラソファ」と音域が広がる教則本は、真ん中の「ド」を意識して刷り込むことで、絶対音感で音を聴く習慣になるし、子供も取っつきやすそうです。

 

4は、大譜表(両手になった時)の衝撃がハンパないので、使わないことにしました。(私がそうでした。まだ相当チビだったはずなのに覚えています。)

 

その他にイメージ重視の不思議ちゃんな導入をする教材もありますが、先生の方がかなり勉強しないと使いこなせなさそうなので、色々試してお蔵に入った本も、実は多々あります。

 

子供の発達は早いので、数ヶ月が大人の数年くらいに体感するみたいです。どんな良い導入をしたと思っても簡単に忘れるし、半年前に使っていた楽譜を見て「むかしに使っていた楽譜だ。」と言うし、ピアノだけでは泣いちゃってリトミックと併用した子が一年も経つと「リトミックなんてしたかな?泣いてた?嘘でしょ。」と…

 

ところで、「さぁ、ピアノを初めよう!」と学齢期を過ぎてから思った時、あまりにも可愛らしい挿絵満載だと抵抗があるのではないでしょうか?挿絵や五感で音を楽しむより、手っ取り早く楽譜が読めて、五指が動くようにしたいと思うはずです。大人の場合、特に弾きたい曲が既にあると尚更です。

 

なので、導入の教材や教則本は、性別や年齢、性格をトータルに考えて、一番合うものをチョイスしたり、生徒さん自身に選んでもらうのがいいかな、と思っています。

 

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