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お知らせ

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緊張を感じながらのパフォーマンス

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先日、四谷区民ホールで「さわらび会」というA先生関係の発表会に出演してきました。元々A先生のご親族で、子供時代からの先生が「さわらび会」を主催されていたのですが、恩師のその先生は亡くなってしまい、音楽家であり、また優れた指導者でもある、2人のお嬢様方が後を継がれました。なんと今年は「第54回」です。

 

この会は4歳のお子さんからプロの演奏家までが、順々に演奏するのですが、その子供たちが本当に堂々として上手なのです。幼い頃から一緒に練習してきた仲間がいることはすごいことで、中高校生大学生くらいになると本当に和気藹々としていて、リハーサルで集まっているだけでも楽しそうです。いい教室だなぁと思います。

 

私は社会人で、国立音楽大学でピアノを弾く仕事に従事していたことから、プロの演奏家が出るグループの最初の方に弾かしてもらっています。なぜか妙に緊張する雰囲気で、個人のリサイタルや沢山のアンサンブルの仕事をされている先生方でも、お伺いすると「さわらび会は本当に緊張する」のだそうです。私も周りのレベルが高すぎて、すごいプレッシャーです。

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本番でミスタッチ、ミスノートがあったら「死んでおしまいなさい!」「お死に!」(オネエ言葉で怖さ100倍)くらいのことを言う先生が音楽大学には大勢いました。大学受験や学内の試験でミスタッチは点数を引かれる恰好の対象になります。今でも “音楽性より前に完璧さを求められて、のびのびと演奏できないのはつまらない派” の先生は学内では少数派なんでしょう。

 

A先生は ‘完璧な暗譜’ と ‘ミスのない演奏’ ‘細部まで練られた音色’の3点はまず要求されますので、家で練習している時もどこかで常に頭に残っていておろそかに音を出すことは無くなっていました。良いアウトプット(暗譜での演奏)ができるようにするためのインプット(譜読み)の方法を模索する習慣もつきました。厳しく指導してもらい本当にありがたいことです。

 

ただ、A先生にとって一番大切なのは、‘完璧な暗譜’ と ‘ミスのない演奏’ が当たり前にできた上で ‘本番でどれだけ自己を解放できるか’ です。

 

私は本番でピアノの蓋にピアノの弦や共鳴板が写ってるのを見ながら弾くことがあるのですが、気持ちが上がるとどうしても視線も上に上がっていきます。今回の本番中も蓋の裏を見て、その先の天井まで視線を上げるかどうか・・戻ってこれなくなっちゃうと怖いのでやめました。が、恐ろしいことに、その時の所作まで見られていて、「自己解放度が120パーセントでなかった」とのご指摘がありました。

 

昨年の会では、ミスタッチを全部数えられて「あんな箇所をどうして外すんですか?」とさらっと言われて終わったことを考えると、私なりに一年で進歩したのかもしれません。それにしてもA先生も出演直前であることを考えると、こんなにきちんと観て聴いていただけること、本当に感謝ですね。

 

「さわらび会は」自分自身の成長度合いを測るいい機会になっています。とても怖い本番ですけど。地に足が付いていないような気がして・・・と一様に出演する方がおっしゃられます。本当に9階にあるホールなんです。もう大分慣れましたが・・・新宿御苑の桜は三分咲きでした。

 

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