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お知らせ

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実は大事な相対音感!

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「ド レ ミ ファ ソー ラ ファ ミ! レ! ド !! 〜 」元気に子供達が歌っている「某、大手音楽教室」のCMです。儲かっていて広告料をいっぱいかけられるので、1日に何回も見たことがあります。

 

 

あのCMを「最悪」と評価する人がいます。

 

 

私の声楽のT先生です.

 

 

T先生は、戦後すぐに大学生になりました。本当に何もかも焼けて失われていた時です。大学に通いたくてお茶大に入りましたが、音楽を志ざして、国立音楽大学の声楽科に再入学しました。ピアノの経験もなかったし、勿論家庭にもピアノがなかったので、方々に借りに行ったり、寮生が弾いていない隙を見つけて練習したりで、副科のピアノの勉強には苦労されました。卒業後は藤原歌劇団でオペラ歌手として活躍されて、同じ舞台に立ったりツアーに行った仲間では、私の母が好きだった「立川澄人さん」もいらっしゃったそうです。

 

 

T先生は、もの凄い感度の高い相対音感です。ピアノがない時代に育ったので絶対音感は持っていません。が、本当に音程が取ることが難しい現代音楽のオペラパートを本当に短期間で歌った経験も、ベースキャンプ回りの仕事などは、汽車に乗ってから英語の歌詞の楽譜を渡されたりも。初見で、しかも3人でのハモリがあったりと、本当にスリリングな経験だったそうです。

 

 

T先生の耳には、某CMの子供たちは、音名を棒読みで唱えているだけに聞こえるそうで、不気味なんだそうです。教育現場の大人や親御さんたちは、元気の良い声を張り上げている子供を「子どもらしい」と高評価を与えることが多いので、あのような声だけ張り上げているCMが放送されているのでしょう。私にも「ドミソ」も「シレソ」も同じで、なんの感情も働いていないように聞こえます。

 

 

絶対音感では「ドミソ」はとりあえず「ドミソ」と聞こえます。相対音感では、ハ長調の「ドミソ」とヘ長調の「ドミソ」とト長調の「ドミソ」は全然違って聞こえます。主音(音階の始まりの音)から相対的に感じるので、同じ「ド」でも、ハ長調だと主音で、ト長調だと下属音(主音から4番目の音)、ヘ長調だと「属音」(主音から5番目の音)になるからです。主音が「ド」に聞こえる相対音感は、実は音楽的な音感であったりします。

 

 

素敵なメロディーは勿論、ハーモニーの移り変わりに心を揺さぶられたりする、和音を構成している3度5度の響きにも感情が引き込まれたりする・・という事はやはり日々どのように音を聞いているかが影響してきます。

 

 

絶対音感は10歳未満までしか得られない、というような話を聞いたことがありますが、相対音感は磨き続けることができます。絶対音感的に「聴いた音がわかる」だけでなく、「聴いた音で感情が動く」耳を持つことが、音楽を友にする最大の秘訣かもしれませんね。

 

 

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小さなお子さんのプレソルフェージュ&プレ楽典

小学生未満の小さなお子さんのには、お絵描き気分で音符やト音記号を書いたり、小節を、お部屋に見立てて音符カードを並べてみたり…なるべく「抽象的なものを、見ただけでわかる」ように視覚化していますので、落書き帳は本当に重宝しています。五線ノートのように小さいところに書くのではなく、大きなものを視覚に入れると理解度がぐっと増します。

 

 

…だけではありませんが、こんな風にプレ楽典の勉強をしています。

 

 

小さい子のソルフェージュは、ふわふわした感じ、とか 重いなぁ〜 とか、五感で感じる事から入ります。雲の音楽は?雷は?落ち葉が舞うのは?…没頭してくれます。小学生になってしまうと遅すぎで、もう相手にしてくれません。

 

 

あぁ、そういえば付き添いの保護者さんが、お子さんよりノリノリです。4歳児くらいだと、季節が4回しか回ってない上、最初の一回目はまだ目が見えてないくらいなので、実は大人に比べてお子さんの方がイメージを持ち辛かったりします。

 

 


↑  写真は「雲」「落ち葉」「雪の結晶」

 

 

模造品の落ち葉を教室中に撒き散らして「まぁ、ホンモノそっくり、きれいだわー!」と、その場をお母さんが引っ張ってくれるんですよね。ありがたいです。

 

 

…という訳で、ちまたに親子リトミックの教室がいっぱい有るのは、よく分かります(汗)

 

 

話が横道に逸れました。情緒的、感情的なものを、身体を使ったり声をだしたりして、表現出来るのはこの時期だけだと、教えてくれたのはペースメソッドの先生でした。実際ペースの教材はこの時期のものが、とても充実しています。

 

 

ペースの楽譜は五線譜を使いません。線読み(音が上がっている、下がっている、同じ、を前の音と比べながら読んでいく譜読みの仕方)が習慣になるように、噛み砕いて線の数を減らしたりして、楽譜を簡略化しています。

 

 

でも、結局大譜表を覚える訳なので、その間に覚えなおしが沢山あると、子供達は嫌になってしまいます。だから私はどんなに小さくても、五線譜から始めるようにしました。

 

 

教える側にしたら導入が一番難しいのです。でも習い始めのお子さんの方が、何倍も難しいことにチャレンジしているのだから、私も知恵を絞って、楽しいレッスンになるように頑張っています。

 

 

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