読譜上のトラブルについて 前編
西武線、[中野区 鷺ノ宮駅]、[杉並区 下井草駅] 近のMYMUSICピアノ教室です!
読譜上のトラブルについて
ピアノを弾く上で譜読みはしっかりできる方が良いです。なぜなら便利(有利)だからです。
一般的に読譜とは、単に楽譜を「目で見て読む」ではなく、譜面を「見て」→何が書いてあるか「認知」して→「演奏」する、一連の行動が伴うことになります。つまり黙読で本を読む事とは全く違うことをすることになります。
譜面には音の高低と音価が書かれているので、同時に両方を理解しなければなりません。完全な暗譜演奏以外は、複数の情報を左から右に、弾きたいタイムに合わせて順々に見る目の動きと、目で見て認知した情報を鍵盤を下げる運動に変換する脳の働き、出た音を耳で聴き、脳で再確認する作業の連続です。(勿論この後、出た音を聴覚で再確認します。)
目で見て脳で情報を処理、部分または短期記憶=input
蓄えた情報を運動に変換、運動を長期記憶する=output
一人で読譜ができない人、または読譜と演奏が上手くつながらない人は、その過程の何処かでトラブルがあると考えられます。
では、何を解決したら効率の良い読譜力が身につくのでしょうか。整理のために思いつく問題を箇条書きにしてみようと思います。
読譜の最重要課題は、outputしやすい状態にしてからinputする事です。想起し難い情報をinputすると、output作業が不利になります。
ピアノの楽譜は譜面が分厚く、譜めくりが多いため、本番で譜面を立てないで演奏する機会が多く、そのためにも確かで膨大な情報を記憶する力が必要となります。つまり情報を圧縮して脳にinputする必要があるのですが…
※ inputの為に情報を圧縮する方法については、後術させてください。
まず、input関連のトラブルを考えてみました。
1)音価や高低が理解できていない、知らない。楽語を見ない、意味を知らない。
2)全ての音符を点読みする習慣
3)譜面を見ないで鍵盤と手の位置情報で記憶する習慣
4)演奏中に、楽譜を見る視点が左から右に滑らかに動かない
‘1)音価や高低が理解できていない、知らない’は、「リズムや音名のフラッシュカード」や「音名の書きとり」の問題集をしつこく行う事で解決できそうです。子供の場合ピアノ歴が長くても、意外なほど音名がスラスラ出て来ません。楽語についても日常的に使用する楽語は、楽典の問題集には必ず出てきます。全てピアノから離れた机上で、充分に養う事が出来ます。
主催教室内で私は、前に書いた音をヒントに次の音を書かないように、口頭で音名を答えさせてまが、うっ!と言葉に詰まる場面を頻繁に見ています。習い始めから繰り返し練習してもこの程度なので、子供にとっては音を読むだけでも重労働なのでしょう。
‘2)全ての音符を点読みする’の問題点ですが、点を見るように一つ一つの音を理解できるようになったとします。しかし、こ存在する音と音価、複数の旋律や和音を構成する音を一つづつ拾っていては、構造が把握できず、練習しても何を弾いているのか判らない状態が続きます。そうならないよう、近年出版された教則本の導入段階では、音の高低を前後の音の相対関係から認知出来るように工夫がされています。これを「線読み」と一般的に呼んでいます。
音数が多くなるにしたがって、線読みだけでは対応して出来なくなり、「面読み」でなります。「点→線→面」と視覚の範囲が広がり、認知出来る情報も増えます。が、認知より先にまず「見る」ということが大切になります。(私が通っていた速読教室でも、書いてある内容を把握することより先に視野を広げ「黙読しないでただ見る」訓練をしました。)まず、見る事が出来ないと、その先内容を認知することができないからです。
一つ一つの音情報を一々覚えていたら、情報量は膨大になります、結果は、弾いているうちに認知が追いつかず混乱する、瞬間的に次を忘れる(ホワイトアウト)という症状を起こしやすくなります。そのため、ピアノの読譜は「情報を圧縮してinput」する必要があります。
‘3)譜面を見ないで鍵盤と手の位置情報で記憶する習慣’は、導入から引きずっている事が多い難問です。最近の教則本は大変学ぶ側に都合よくできていますので、’丸暗記→反復練習’をさせないように工夫されています。が先に書いたように子供にとり「抽象的」な楽譜を読んで理解することは重労働です。彼らは楽をするために、視覚から入った情報でなく、まず耳で音を認知し、その情報を「鍵盤を押す手順」で覚えようとします。主な練習方法は反復です。読譜が出来る人とは、練習過程で全く違う経過をたどることになります。
また、「鍵盤を弾く+楽譜を確認する」が困難な人もいます。楽譜で音価と音高が分かっていても、ピアノに向かい合った瞬間、鍵盤から視線を上げる余裕がなくなり、楽譜が視界からすっかり消えるだけでなく、存在すら無いことにされてしまいます。弾いていてわからなくなった時も、手を止めて楽譜を確認することができません。こうなってしまうと、楽譜に全ての音名を書き込んだとしても、どれだけ楽譜を見るよう促しても、楽譜を避けようとします。
たとえ音や指遣いが分からなくなっても、自分の記憶を頼りに思い出そうとして譜面を確認しないため、「音やリズムを間違えて覚えやすい」「演奏に向かない効率の悪い指遣いを覚える」こともあります。そんな場合でも「間違えて覚えてしまった時に修正が難しい」。曲の途中から弾けず、曲頭から全通しの練習しかしなくなると「弾けるようになるまで、膨大な時間と労力が必要になる」。さらに、練習中に弾けるところは端折って弾く習慣が出来てしまうと、「tempo感や拍節感が乏しい演奏になりがち」です。
‘4)は、鍵盤と手元を見ていないと弾けない’タイプです。押す鍵盤の位置と手順は、一曲分覚えるとすると、累積し膨大な情報量を記憶することになります。当然記憶が飛ぶ確率が高くなるのです。解決の近道はブラインドタッチの習得です。目を閉じても天井を見ても弾けるようになったら、譜面の楽譜を追いながらでも弾ける筈ですし、「手順と鍵盤の位置の記憶→空間の認知や運動と筋肉の記憶」と記憶の内容が変わり、演奏に対してより有利になります。
後編では、問題のある読譜が、何故ピアノ演奏全体のトラブルに結びつくのか、考えてみたいと思います。
2020.10.22│コラム
ピアノレッスンの応用と効用
西武線、[中野区 鷺ノ宮駅]、[杉並区 下井草駅] 近のMYMUSICピアノ教室です!
スティホーム期間中、音楽史と世界史、日本史の統合して見られる資料作り、ルネサンス以前の古代ギリシャ音楽に対しての考察、ピアノ奏法に関する読書、をするつもりでしたが、全部首を突っ込み途中で終わっています、いえ捨て去ったわけではないので、作業が止まった状況です。
しかしながら、完全な趣味は継続するものです。スティホームが謳われたころ、どんだけ暇になれるのかと期待し、Eテレの高校講座を見ることにしました。「地学基礎、生物基礎、物理基礎、数学I、ベーシック数学、」高校講座は一年目しかテレビ放映しないらしく、後はラジオで受講するシステム。地学基礎は宇宙の成り立ちや天体の仕組みなのですが、プラネタリウム効果なのか、20分間平均2、3回寝落ちしました。生物基礎は基礎だということはわかるけど、決して簡単なわけではない上、見せ方や講師の話し方にエンターテインメント性がゼロで5回寝落ちしました・・・
…というわけで斉藤由貴さんらが出演していて、親しみがわきやすいストーリー仕立ての物理基礎、ベーシック数学、数学Iが最後まで残りました。全部に言えるのは、数式が出てくるところかも。
物理基礎と同じく化学基礎、地学基礎も、ストーリー仕立てで、認知度がある俳優さんが出演しているし、飽きさせない。実験もありロケもありで、盛り沢山なのに頓挫。違いがあったとしたら、数学と物理は、正解を導く方法を教えてくれるからだと思います。比較すると、地学や天体学や生物は、自然の摂理の法則や知識に対する好奇心が掻き立てられました。が、数学や物理は、物事の捉え方や漠然としたものを認知しやすくするやり方、最短且つ合理的に答えを導き出す知恵、つまり知識よりも考え方が鍛えられる学問だと感じだし、それでだんだん面白くなってきたのわけです。
脳も身体の筋肉と一緒で使っていないと動きが悪くなるとは、聞いたこともあったのですが、かなり実感しています。でも大丈夫、録画もして停止したり繰り返して観られるし、高校講座のサイトから過去の動画も観ることが出来ます。(笑)
実は、ある程度ピアノを習得した生徒さんは理数系が強くなる傾向があります。その逆で理数系に進む人はピアノの上達も早い傾向があります。医師や数学者でピアノ経験者、または趣味以上、演奏活動をされている方もチラホラいらっしゃるようですし、音楽、特にピアノ演奏とは、何かしらの関連がありそうです。たぶんですが、未就学児童や低学年のうちから、数字が絡んだことの処理能力、や一度にたくさんのことを合理的に認知していく力が、音楽性とは別に鍛えられているからだと思います。
また別の話題になるかも知れませんが、ピアノレッスンには、ピアノで好きな曲が弾けるのが目的で習いに来られる人が多くいらっしゃると思います。お気に入りの一曲を弾けただけで満足なら短期のレッスンで終了できます。ただ継続してピアノを習われている場合は「この一曲が弾けたら終わり」の連続ではなく、「将来こんな演奏がしたい!こんな曲が弾きたい!」などの夢が出てきます。最近は皆がYouTubeを活用しているので目標にするタイプがはっきりしていることが多いです。将来の自己実現のためどのような取り組みをするか、そのためにどのような楽曲やエチュードを選ぶか、生徒さんと目標までの道筋と方法を話し合うことも多くなりました。
その影響もあり、次のレッスンまで何を目標にするのか、そのための練習法などを綿密に話し合った後、小学3年生くらいで達者に文字が書けるようになってきた人には、自分の言葉で「次週の目標」や「練習点」について、自分の言葉で書いてもらっています。
MYMUSICでは、ピアノ演奏だけで役に立つことでは無く、学齢が進んだ時に他の教科で応用出来るような、どこかに汎用性のある教えができたらと考えてます。(そのためにも、自分自身も挫折しないで最低I年間は、ベーシック数学と数学Iは、なんとか続けたいと思っておりますが、どうなるやら笑))
2020.08.13│コラム
MYMUSIC定期演奏会(夏の発表会)について
西武線、[中野区 鷺ノ宮駅]、[杉並区 下井草駅] 近のMYMUSICピアノ教室です!
新形コロナウィルスの影響で、生活に色々な影や変化を受けた3月から6月。
やっと県外移動ができるようになり、商業施設レジャー施設も解禁になってきましたが、
ライブやスポーツはリモートや無観客が多く、普段通りになんの心配も無く生活出来るようになるのはまだ先のようですね。この辺りだと、高円寺の阿波踊りも中止、MY MUSIC の生徒さんやご家族のバレエ教室は、三密を避ける為に、今までと同様のレッスンができないし、のは大きな舞台での発表会は中止になってしまった教室が多いです。
3月からの休校に始まり、テレワーク、大手音楽教室の休校…比較的ウイルス感染のリスクが少なく自粛要請もなかった個人のピアノ教室は、先生の判断で閉めてしまったり、普段通りレッスンしていたり、リモートレッスンにしてみたり、色々な方法が試されたり選択されていました。
私の先生方ですが、有森直樹先生は、勤めている大学のレッスン室を使ってレッスンされていましたので、当然3月からレッスンは途絶え。隔週通っていた上田敏先生は、ご自身の感染防止の為(笑)レッスンを断られてしまいました。それで長らく放し飼いの期間が続いていましたが、定期的なレッスンがないとこんなに楽ちんとは!何らかのレッスンを受けに行かないとなると、それなりにプレッシャーがあるようでした。
好きなことを好きに勉強する期間を享受していましたが、休校が終わり子供達が学校に缶詰にされ始め、大人たちも出社する様になってくると、上田先生からも2月分のレッスンの振り替えの相談の為に連絡があったりして、私自身もだんだん元の生活に戻りつつありそうな気配です。(結局、上田先生も近所の生徒さんたちに押し切られて、通常レッスンしていたそうです。)
緊急事態宣言時のMY MUSIC は、生徒さんの年齢層に高齢者がいらっしゃらなかったので、子供から大人まで、スティホームでストレスが溜まったり、友人とも遊びにくい中、家族以外の人とお話ししたい、音楽で発散したい、この期間にピアノを充実させたい、というご希望の方も多くいらっしゃったので、生徒様保護者様のご判断にお任せして通常営業していました。実は世の中自粛ムードの間、何らかの緊張感があり、コロナ対策で来られなくなった生徒様がいらっしゃる筈なのに、妙に忙しく感じたものです。
それも最近すっかりなくなり、自粛していた生徒様たちも教室に戻っていらっしゃいました。
しかしながら、コロナ生活の副産物が現在も残っています。MY MUSIC 在籍者の練習量が増えていて、それが習慣化した為に上達が著しいのです。そういえば、私自身も練習量は増えています。
そんなこともあり、楽しみにされている方もいらっしゃるので、夏の発表会は予定通り「8月23日 日曜日」に開催することになりました。コロナで縮こまっているのでは無く、安全策を練って出来ることをして行こうというご意見に後押しもされました。
夏になっても東京感染者0は不可能でしょう。が、MY MUSIC は感染罹患→重篤化から一番遠い未成年と基礎疾患がない成人の集まりですし、怖がって何もしないと先で後悔するかもしれません、というのも、いつも冬に「サロンコンサート+パーティー」をしている会場から、来年の3月末迄通常営業しないとの通知があったからです。
この先寒さを迎える季節になってどんな事態になるのか見通しがないので、出来る時に出来ることをする!という決定に至りました。コロナ後初、感染防止策を練りながらの発表会ですが、良い発表の機会になりますよう、頑張りたいと思います。下記の写真は昨年のシーンです。
演奏待機中にみんなで笑顔のワンショット。ちょっと緊張がほぐれたかな?
控室での飲食はホット一息付ける時間ですが、今回はいつもと同様に行うのは難しいので、手先の消毒の徹底や個別にペットボトルを用意するなどの対応を考えさせていただきます。
会場参加のゲーム付き。ミュージックベルの演奏。
トーンチャイム譜読み中。
演奏はその場の一発勝負、タイミングを外さないように司会の太郎さんも真剣です。
お疲れ様!演奏者全員のスナップです。
2020.07.02│コラム
2020新春会!
西武線、[中野区 鷺ノ宮駅]、[杉並区 下井草駅] 近のMYMUSICピアノ教室です!
MYMUSIC冬のイベント「軽食付き、音楽パーティー」。2005年くらいから恒例行事になったのですが、最初は随分と気楽な集まりNO忘年会、忘年会なのでもちろん年末開催、イベントの名称も「クリスマス会」
(名目も名称も、保護者と大人の生徒の飲み会じゃ、付き合わせる子供の生徒さんに申し訳ないので)でした。子供達にとっても、ピアノを披露出来るだけではなく、居心地の良い床暖房のお2階で、演奏後に美味しいオーナー様手作りのお料理にありつけるので、毎回大満足らしい。
ところが、2005年当初にゴールデンウイーク後に開催されていた発表会が、ものぐさな先生がなかなか会場を取らなかったせいで、5月→6月→7月とどんどん遅くなり玉突き状態で「クリスマス会」→「新年会」。
今年はとうとう「新春会」ということで、2月2日無事開催できました。初めての2月開催だけではなく、今回初参加の生徒さんが多かったのでどんな雰囲気になるのかなぁ・・と思案するも相変わらずバラエティー豊かな選曲が集まりました。
メイクや衣装の乱れがないうちに集合写真
第一部 ピアノ独奏は入会数ヶ月の生徒さんも参加して頂きました。「ぴあのどりーむ」「アルフレッドピアノライブラリー」「オルガンピアノの本」などの教則本から(そうじゃないと子供達まで、好きな楽曲ばかり弾き続けちゃうので)と自分の選んだレパートリーを混ぜてもらったりしていました。
小学生が自分で選んだ曲は「ゴジラのテーマ(先生アレンジ)」「となりのトトロ(連弾)」「ルパン3世のテーマ(先生アレンジ)」「スケールとアルペジオ(連弾、先生が適当に2nd)」楽譜を書いたりの準備が結構大変でしたけど、私も書いているうちに凝りまくっちゃったりして、演奏する方がもっと大変になってしまったのは申し訳ないところでした。
高校生以上大人の生徒の生徒さんの選曲は「バッハ平均律クラヴィーア曲集一巻より1番プレリュード」「愛の讃歌(先生アレンジ)」「ベートヴェンピアノソナタ10番1楽章」「ベートーヴェンソナタ19番の1楽章」若いのになんでこんな曲を知っているのか不思議「December1963・君の瞳に恋してる」オペラが好きで「天国と地獄の序曲・メリーウィドウワルツ(連弾)」タイユフェールというフランスの女性作曲家の「ビュルレスク組曲より 元気一杯(連弾)」「バレエくるみ割り人形より 花のワルツ」等、楽しいプログラムになりました。
恒例のプレゼント交換会
第2部 アンサンブルは、お母様と連弾、また今回は‘ミュージックベル’の演奏に人気が集中しました。「キラキラ星」「ミッキーマウスマーチ」「ホールニューワールド」をタッチ式のミュージックベルを並べてソロやピアノ伴奏付きで演奏しました。ミュージックベルは教育楽器でハンドベルの廉価版なのですが、意外と侮れずきれいな音ですし、持って振らなくても掌で押すだけで音がでるので、一人で複雑で重音の響きも演奏可能です。
第3部 ゲスト講師演奏は、クラシックギターの小林和重さん。ピアノで馴染みの深いメンデルスゾーンの無言歌集より「ヴェネチアの舟歌」「バッハ無伴奏チェロ組曲 プレリュード」。聴き慣れていたピアノからチェンジ、突然ギターの音色が会場に広がりみんなシーンとして聴き入っていました。
司会者の武富太郎さん「朗読」PHP出版「うえにまいります」大変楽しい絵本でデパートに行く家族が買い物をするおはなしです。最初の展開から考えられない買い物をし出す家族に笑いや、茶茶を入れる子供達が・・・会場が盛り上がって最後に先生が登場するのですが、出番最後って本当に嫌なものですね、みんなさんは自分の出番が済んでしまって、もう浮かれまくっています。
私はロシアの作曲家カプースチン「ピアノソナタ第一番ファンタジア4楽章」を演奏。‘ジャズとロックとクラシックが一強で全部詰まっていて美味しい曲’と、ギターの小林君から感想を言われましたが、子供にすごくウケが良くて、小さな生徒さんから「先生大好き!」と演奏後に後追いされました。子供に何が受けるか本当に分かりません。締めに全員で「トーンチャイムの演奏」と「全員で記念撮影」で演奏会は終了。
パーティー会場に移動して、待ってましたとばかりに大人の生徒さんは絶好調!子供達もここに合わせてお腹をすかせていたらしく目の色が変わっています。お料理を目の前にもう一回集合写真と乾杯、乾杯前にもう食べ始めています。
皆でこの数陰る頑張ったことを讃え合い(通年この調子で頑張れば、とても上手になると思うのですが)美味しいオーナー様のお料理やそれぞれの差し入れなどを、自他共にノムリエ(ソムリエじゃなくて)と認める生徒さんの目利きで仕入れたワインを何本も空けて(あえて正確な本数は書きません)パーティーも無事終了いたしました。
次は、「MYMUSIC定期演奏会」8月23日(日曜日)です。オリンピックの影響で昨年より1ヶ月以上遅くなってしまいましたが、お盆休み明けということで皆さん頑張って練習できると思っています。次に向けて頑張りましょう。
・・・2月中は冬眠中の生徒さんが多そうですけど。
2020.03.02│コラム
ピアノと年齢の重ね方
西武線、[中野区 鷺ノ宮駅]、[杉並区 下井草駅] 近のMYMUSICピアノ教室です!
阿佐ヶ谷教室はビルの売却に伴い、区分所有者である私の先生がビルのオーナーさんに売却される運びとなりました。
以前は、音楽教室だけでなく、先生の同級生が定期的に集まって意見交換したり勉強会を開いていました。
多い時は12、3名の方がお集まりになり、その度にテーブルを出したり椅子を並べたりとセッティングをしたものでした。
つい数年前に、集まりで紅一点だった私の先生が「おじさんの世話をみるのが大変」と言って抜けられ、そして5、6人の集まりになり、昨年の12月で3名になったところで集まりは終了となりました。櫛の歯が抜けるように、集まる人数が少なかなってきたのは私も寂しかったのですが、齢91歳を超えてくると、外出も一人だと侭ならなくなるようです。
実際、私は先生が歳お召しになる経過をつぶさにみてきました。身体の自由は少なくなり、生活することが本当に大変になり始めるのは80代後半からかなぁ、と思っています。
頭がしっかりしていたとしても段取りが悪くなったり、歩けるけど足腰に不安があったり、瞬時に反応できなかったり、柔軟性が失われてとっさに身体が動かない、なんてことは70代でもありますが、それ以上の症状は大抵何か大病の後遺症だったりします。そこを無事故でスルーした健康な人たちを襲う加齢は、御本人も10年前には想像できなかった現象です。健康で過ごした人ほど覚悟が無くて・・・でもご家族が一緒に暮らしていたら問題ないのでしょうけど。
話は変わります。現在私は息長く続けられるボディワークとして太極拳を習っています。ご一緒させていただいている方は、60代がチラホラ70代が中心で80代の方もおられます。皆さんまだまだお若くて、精神がお嬢様の時で止まっているようなので、可愛らしい感じの方が多いです。スローな動きでグラグラしない足腰と上半身の使い方やバランス感覚や柔軟性、市井の人がたとえ週一1時間でも数年継続すると‘真面目で感がいい人は絶大な’‘不真面目な人もそれなりに’、体の機能が変化するのは側から見ていると面白いです。
先生は多分40〜50代くらい、メチャクチャ口が悪くて、然し乍ら「筋の通った理論」「豊富な経験と知識」と「太極拳が大好き」で「一生懸命に教える姿勢」に、オバサン達も我慢しながら何とかついて行ってるのです。が、彼女達の身体能力は、確かにアップしているようです。その様子を観察していると、健康に過ごせだ場合、加齢の重圧が襲ってくるのは80代後半からのようですし、備えのための何らかのボディワークをしていれば、生活に不自由なく楽しみを享受でき、趣味に邁進する気力をもっと先まで保ち続けることが可能そうです。
私の恩師で阿佐ヶ谷教室のオーナーである声楽の先生は90歳になってもお稽古をつけていらっしゃいました。同居のご家族が入院されたことをきっかけにピアノを売却されてしまいましたが、そんなことがなければ教えもやめなかったし、阿佐ヶ谷教室の売却なども話も、もっと先伸ばしになったかもしれません。
先生は藤原歌劇団のオペラ歌手でした。6000人以上入る会場や長期の海外公演もこなされてきた強者で、現在でも口は達者で頭はくるくると良く回るし、自立した生活を送る気力や食欲もあります。なので、健康寿命に呼吸や大声!?を出すことは大切だと感じます。しかしながら、一般論ですがマイクを使わない声楽家の現役生活は、アスリートほどではありませんが短く、一生現役のいうわけにはいきません。流石に声も衰えますので教え続ける意欲もなくなります。
たくさんある楽器の中で演奏人生が長寿、死ぬまで現役のつもりのプロ演奏家がゴロゴロしているのがピアニストです。なぜだか理由は定かではありませんが、最近になってやっとピアニストの脳や運動機能を解析測定できるようになってきましたので、これから解明されていくのかもしれません。
私が今年の1月に行ったコンサート、「ラヴェル:ピアノコンチェルト ト長調」のソリストの‘ホアキン・アチューカロ’はスペイン生まれの現在86歳、ソロリサイタル別日にありました。レコーディングしたばかりのCDの記念リサイタルらしく、ソロリサイタルの演奏曲目は「ショパン24の前奏曲」他のレパートリーも割と血気盛んな感じの曲目が並んでいました。(ソロリサイタルも行きたかったのですが、その頃すっごく寒かったので行かずじまいでした。)
9月25日‘パウル・バドゥラ=スコダ氏’が残念ながらお逝去されました。実は10月22日来日公演を予定されていました。死ねまで現役どころかウィーンから5年ぶりの来日公演を企画されてたのですから、どういう気力の持ち主だったのでしょう。92歳でした。(ご冥福をお祈りします。)
ピアニストは座り仕事で、足の筋肉もさほど使わず、うなったり歯ぎしりしたり鼻息が荒い演奏する人もいますが、だからと言って呼吸法が優れているとは思えません。が、優れた演奏家は「体と心をリラックスして演奏する技」を習得している可能性が高いこと(他の楽器より音数が多く、複雑な事を演奏中に行う為、普段から過緊張しないように訓練を積んでいる可能性有り。)座っているので「骨盤が安定し体にねじれを引き起こすことが無いこと」。それが長寿と長い健康寿命に繋がっているのかもしれません。
ピアノは何歳まで上達するのか・・とある一説ですが「女性の場合、筋肉の縮小が起こり出す77歳くらいになると、今までの練習量に対して上達の進陟が悪くなったように感じるかも・・・だそうです。
「中年になったから子供の時より覚えが悪くなった」「子供さんはもっとすらすら弾けるようになるのでしょう」とお尋ねになる方がいらっしゃいますが、申し訳ないですが小学校5年生の子にはどんな大人でも頭で勝てます、手の筋肉もたくさん付いているし、大きいし、歳をとって関節が硬いので指がくにゃくにゃしません。その上経験値があるだけ器用です。歳のせいにできるのは80歳になってからと腹をくくりましょう。50歳から始めても80歳までには30年のキャリアが積めます。死ぬまで楽しめる数少ない趣味、またはサイドビジネスになるかもです。中高年の皆様、一緒に頑張りましょう。
2019.10.12│コラム