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活動情報

コラム

練習の仕方の良し悪しについて

繰り返し同じ練習しても中々上手くならないことありませんか?弾けないフレーズをゆっくりから徐々に早く弾いてみたりしても毎回同じくらいのテンポで弾けなくなって進歩がない、…通し練習を毎日してやっぱり何処かでつまづくとか…何だか上手くいかないと思ったならば、その練習は早々に切り上げて違う事を考えた方が、上達の近道かもしれません。

 

問題解決の糸口が「繰り返し」で見つからない事も有るだろう・・と、勉強や仕事の等では当たり前に思えるのですが、ことピアノの練習では「繰り返して練習する事」で、慣れてテクニックが付いてくる事や暗譜出来たりする事を期待して、同じ練習をやり続ける事が多いです。 螺旋階段を回るように徐々に上がっているのならまだ良いのですが、同じところをグルグル回っているだけかもしれません。それはとっても嫌ですよねー。

 

一つの例ですが…

完ぺきな状態まで、まるまる一曲練習するのは、どんなにみじかい曲でも骨が折れますが、一小節ならどうでしょう?5分10分と意外と短い時間で自分的には満足出来るように弾けてくるのではないでしょうか、そうなると、その先の数小節もスルスルと続けて弾けてきたりします。

 

というような感じで、色々な角度からアプローチをして、練習する事に自分が飽きないように、また弾けない自分を脳に刷り込まないことが大切ですよね。

 

だから繰り返して練習する事も大切ですけど、練習の引き出しがいっぱいあって、色々試してみる事も良い刺激になるとおもいます。

 

繰り返して練習して、何回も何回も弾いて埒があかなかったら、それは無駄な時間だったのでしょうか?いえいえ、上手くなった気がしなくも、弾いた分だけ指は強くなっています。人生経験でどんなことでも無駄は無い…と誰か偉い人が言っていたような気がしますが、ピアノは練習量と上達は比例します。沢山練習した人が報われるのが、楽器の練習やり甲斐になるんですね。

 

とは言っても、少しの努力で物凄く上達できた方が良いに違いありません。自分の音高時代の同級生を思い出してみると、若干の怠け者や伴奏を引き受ける機会が多い人の方が要領が良いのでしょう、地道なコツコツ型より成績が良かったです。 何とかして早く練習が終わるようにしたいと考えながらも、地道にコツコツと練習出来る気質の人が、ピアノでは大成するのかもしれません。

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私もさっさと練習終わらせて、陽だまりの中で猫と休憩したいです。

譜読みと初見演奏について

知らない曲や初めて見る譜面を演奏する「初見」の能力。音楽大学では、ピアノ科の入試課題にあったりなかったりします。私の受けた大学では初見の試験がなかったので、その訓練をスルーしてしまいました。受験で苦労しなかったし、ポピュラーを弾いていた期間はメロ譜という「メロディーとコード記号だけ」の譜面を見ていることが多かったので、大譜表の初見にすごく苦手意識がありました。初見の能力が高ければ譜読み期間も短くて済むので、初見が利く友人が羨ましいと思ったことが多いです。

 

ところで、U先生から譜読みの時について言われていることがあります。「正しい拍節の中で弾くように、その曲のイメージが分かる速さで(極端に遅く無く)弾くように、譜面に書いてある通りに鍵盤を順番に押す作業にならないように、音を抜いても外してもいいから横で聴いている人にも音楽が伝わるように弾くこと・・・」。先生は「音を抜いても外してもいい」というので完璧主義でないと仰りますが、これだけ「・・・するように」があると完璧主義なんじゃないかと思います。木彫りで人形を掘り出すことに例えて「最初から正しい位置に目鼻をつけないと、やり直しがきかない」からだそうです。

 

私も自分の生徒さんから「先生のように譜面を見ただけで、音楽が分からないから、譜読み=鍵盤を押す作業になってしまって、遠回りをしてしまう。」と言われます。自分は生徒さんを前にして初見でどうやって弾いているかというと、「ちゃんと弾くとテクニックが難しそうな音は抜いて、多少音は外しても自分の伝えたいことが分かるように」弾くので、そんな時はU先生のいうことにも納得します。じゃ、最初に譜面を見て弾いてみて「自分のイメージ通りに行かない、またはイメージすら分からなくなったら・・・」私はそんな時、粘土細工の人形を作るように考えればと思います。ものすごい開き直りですが、最初は訳が分から無くても、捏ねているうちに段々と形になってくればいいと思うのです。

ところで、船越桂さんという木彫りの彫刻家の人をご存知でしょうか?

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直木賞受賞作「天童荒太・悼む人」の表紙で作品を身近に見ることができます。彼が言っていたことに衝撃を受けました。

 

木彫りの最初の作業は、四角形の角材のそれぞれの四方に「正面から、横から、後ろから」見た絵を書いて、チェンソーでいらない部分を削っていくそうです。船越さんはテレビ番組で話していらっしゃいましたが、「まずは、いらないところをのこぎりで落としていくだけなので、最初は頭部の丸みも無くて、そこから丸物になるまでの間は絶対人に見せたく無くて・・真四角な状態で鼻や顎の大雑把な形がある、まだ左右の端が出っ張っている状態の中、目だけ深く掘ると変な形態が出来上がってくるので、その間は人にも見られたくないし、自分でも本当に才能がないんじゃないのかな・・と思う時間がある。」

 

そうなんですね。譜読みも焦ることないか・・

 

 

 

 

 

 

Jacques Ibert  ・ ジャック・イベールについて

イベールはマイナー作曲家なんだと最近知りました。彼は1890年生まれ1962年没、生粋パリ生まれのフランス人作曲家です。 何で私がイベールを知っているかというと、大学時代に馴染みがあったからです。ジュネーブ帰りのリトミック専修の先生がゼミで使ったことも有りましたし、同じ科の友人がピアノのレッスンにイベールの曲を選んだりしてました。

 

イベールの弱点は、とにかく楽譜が入手しにくいということです。当時図書館でコピーしましたが、最近までその楽譜を使っていました。購入すると「小組曲」と「物語」合わせると軽く一万円を超えてきます。最近は通販サイトから、即注文翌日発送で購入出来ますが、以前は大手楽器店に予約して一ヶ月待ちでした。

 

リサイタルの曲目選びにA先生から「フランス六人組」をレパートリーに入れる様にアドバイスされたとき、イベール「物語」は如何でしょう?(イベールを六人組だと思い込んでいた)とお伺いした時の返信が三日かかった事、や研究熱心そうなU先生が「イベール、全然知らない❕」って仰られたので、実はマイナーなんだなぁと思いました。 しかも一生懸命探しましたが、リトミックの創始者ダルスローズやリトミックとイベールの接点は見つかりませんでした…

 

ウィキペディアによると、ミヨーやオネゲルといった「フランス六人組」と同窓なんだそうで、ということはサティと同じく、その作風からなのか、六人組に入れてもらえなかった様です。六人組は新古典主義らしいのですが、「六人組」には紅一点、タイユフェールがいますね。イベールの作風がタイユフェール達六人組とそんなに違うのかよくわかりませんでした。が、イベールはより印象派的だと思います。 MYMUSICではイベールもタイユフェールも好きな人はいるので、今までも発表会で弾く人がいました。因みにタイユフェールは1983年没です。91歳…長生きですね。タイユフェール作曲の「フランスの花々」は練習するだけで女子力があがりそうです。話が横道に逸れちゃってすいません。

脱力について その2

ハノンやチェルニーの練習曲、練習するのは子供時代・・・。いえいえ大人になってからの方が、練習した後の見返りが想像できるので、MYMUSICではピアノ再開組がコツコツと頑張って弾いています。もちろん子供も練習しますが、子供たちは大好きな曲をたくさん練習したいので、大人よりもエチュードや基礎練習の対してテンションが低いです。でも子供ってなんとなく弾けちゃうんですよね。羨ましいです。脳科学的な本を読んだところ、20歳までと35歳からでは脳の機能が劇的に変わるそうです。すごく納得しました。「なんとなく弾けてしまう」のは若い人の特権だと思います。

 

新年会まで一週間切った大人の方のレッスンで・・・「ピアノってこんなに楽に弾けるんだって初めて感じました!」って。この方にはスケールを入念にレッスンしているのですが、指を動かし続けると手の甲がだんだん緊張してくる癖があるのです。関節もしっかりしていて、とても機能的な指なのですが、スケールを弾くと緊張する癖が強く出てしまします。なのでご自分では指が回らないと気にしていらっしゃいました。それが「弾き続けながら力が抜けるコツ」を一瞬で掴めたそうです。今までは「レッスンでできるようになったけど家に帰ったら分からなくなる・・」を繰り返しでした。少しづつ積み重ねていた結果でしょう、一気に感覚が分かったそうです。この日は満面の笑みで帰って行かれました。諦めないでコツコツ続けていると、ある日克服して、大きく一歩を踏み出せるのですね。私も自分の課題に対しチャレンジし続けようと思います。

脱力について その1

音大卒業生の方でしたが、在学中から手の故障に苦しめられていたこと、を本人から直接聞いたことがありました。その方の症状は「手を使おうとすると意思に反して親指が掌にくっついてしまう」でした。ですからひどい時はコップも持てなかったそうです。 また、私の音大の先輩は、リサイタルに向けた練習中に痛みが出て、それを我慢して練習したところ、掌が握れなくなり治療に長くかかっています。数年経っても自由にピアノを弾く事ができません。

 

手の故障は、ピアノは勿論、日常生活に支障をもたらすので、是非とも回避しなければなりません。

 

大学の術科の先生ですら、手の故障は聞きます。たいていの場合ピアノによるものでなく「ゴミ出しに行くのに、変な持ち方でいっぱい袋を持った」とか「重たいものをお盆に乗せて変な持ち方をして運んだ」という事でした。一流のアーティストなんだから、もっと手を大事にしてほしいと思います。

 

音大卒だと練習しての事故が多いです。正しいテクニックを持っていなくても、若くて無理がきくので音大には入れますが、無理を続けると故障するという事なんでしょうか。先生の場合はピアノに関係ない事がばかりですが、共通することは「身体、腕や手に負担をかけた事が故障に繋がる」という事だと思います。

 

疲労、または痛み→止める

 

が出来ない頑張る人が多いのがピアノを弾く人に多いのは事実でしょう。ピアノの練習もゴミ袋やお盆を持つのも、途中ても放棄する勇気が必要です。 とは言う私もゴミ置場までの行き帰りを考えると、如何に一つの袋にたくさん詰め込むか頑張り、いっぺんに沢山の袋や段ボールをいかに持つか。指先にまで袋をいっぱい引っ掛けて、一回で何とか済ませようとします。欲張りはいけませんね。 手の故障は使い過ぎる事よりも使い方の方が深刻だと考えています。上記の音大卒の方は、過緊張で手を動かす時間が長い事が原因でした。何をしていても痛くなったら直ぐに止めましょう。年賀状の書きも(笑)

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