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活動情報

コラム

子供と読譜力

救急車で搬送されたりして、コラムを書くのが滞ってしまいました・・・
 

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ちょうど習って3.4年目くらい、楽譜も複雑になり、曲も長くなってくるころの、子供達にとって、読譜は大変な作業になってくると思います。
 

とは言っても、先生頼りにならないで、ある程度は独力で譜面を読む週間や苦なく読譜に取り組めるように持っていきたいです。
で、小学3年生くらいになったら、読譜力を上げる事も必要だです。幼稚園や保育園児の時代に一生懸命覚えた音価や音高を読む力プラス、音楽を読み見とる力をつけるため、もう一度頑張ってもらいたいのです。
 

「線と間」「隣同士、一つ飛ばし、同じ音」など、年少の時に覚えた譜読み「点」から「線」で読むようになります。つまり音の高さを音を一音づつ読むところから、前の音と次の音の相関関係で読めるようにしていく過程なのですが…
 

思い返すと…
 

自分が子供の頃は先生に逆らうなんで恐ろしい事は出来ませんでした。だから子供にとって無理難題を言われても、一生懸命こなすのみだったのですが。
 

先生が怖くない今の子供達は教室で自分の考えをハッキリ言います。小学生は大人の方よりも「考えたくない」「見て覚えたい」を露骨に表現します。どうやって弾くか、実演して見せてほしいとか、知らない曲は弾きたくない、難しそうな曲は嫌…グダグダ言うのも楽しみの一つらしいです。
自分が子供の頃を振り返ると、先生からは「片手ずつ譜読みして練習して、弾けるようになったら両手を合わせなさい。」と教えられていた気がします。
 

で、実際には自分がいつから両手一緒に譜読みするようになったか覚えがないのですか、結局は片手ずつの譜読みが面倒だったのだと思います。
 

片手ずつ譜読みして両手にする譜読みは、一つの曲で1右手2左手3両手と3回弾けるようにしなければならないので、二度手間どこらか3度手間なので良くない、とペースメソッドの先生に言われた事があります。
 

なるほど説得力がありますね。
 

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今来ている子供達は、おうちで譜読み派とレッスン室で譜読み派がいます。レッスン室派は、練習室で譜読みして自力で弾ける目処をたててから新譜をお持ち帰りする、ある意味慎重派です。おうち派は、一人で考え事をするのが好きな人みたいです。
 

レッスン室派の子は、読譜力がどれだけ身についているか先生が把握出来るので、足りないところを指導しやすいのですが、自力で頑張るより先に先生に頼ろうとするので、独立して譜読みをする習慣がつきにくいです。おうち派は、レッスンに持ってきた時にはすごく弾けていても、それまでの一週間、家で七転八倒してるかもしれなくて、その把握が難しいです。万が一間違えて弾いてきたのを治すのも大変だし…
 

譜読みは替わってあげられないので、「だんだん難しくなるけど、先生が助けてあげるから頑張ろうね。」くらいの声かけくらいしか出来ないですよね。

 

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指のコントロール


 

ピアノを弾いていると、たまに気になる「指が強さ」。指が強いと良いことが有りそうですが、考えてみると指が強いは何を定義してあるのか、良くわからなかったりします。
 

ジャズジンガーで弾き語りをする綾戸智恵さんは指立て伏せてをしたと聞いたことがあります。私がやったらたぶん指が折れる前に心が折れて挫折すると思います。ジャズの人のタッチは強そうですね。ジャズ屋さんには、スタインウェイのピアノが避けられているそうです。何でもキンキンし過ぎるとかで。スタインウェイよりベーゼンドルファーかな?らしいです。
 

(クラシックを弾く人はとりあえずスタインウェイですよね。反応が良いしコントロールがしやすい、音が華やか、と三点揃っていますから。)
 

では、クラシックの人は指がポピュラーの人より弱いかといえば、絶対そういうことは無いと思うのです。西洋で伝承されてきたスタイルの上に演奏しなければならないので、打鍵のスピードや強さだけでなく、求められているのは、「意思通りコントロール出来る指を持てること」だと、あるテレビを見番組を見て思いつきました。
 


 

わんニャン倶楽部…
 

飼い主の言うことを聞かないお馬鹿犬の躾こーナーが人気のようです。お散歩中にリードを引っ張り走ろうとしたり、「スティ‼️」と言っているのに無視したり、挙げ句はちゃんと歩かないで転がったり。
 

まぁ、私の指みたいだわ…意思に反して走ったり転がったり、つまづいたり、止まったり。
そういえば今までも、A先生から「全ての音を自分の意識した通り、細部までコントロールされて発音できるテクニックを持ちなさい。」と、毎回のレッスンで念仏のように唱えられていました。
 

手は自分から生えている「身体の一部」です。もし「飼っている馬鹿犬」が「自分の手」と同じ問題行動をしたらどうでしょう、なんとか改善しなければと、解決策を模索する筈です。
 

単純なフィジカルなトレーニングだけでなく、自分の意思を伝える練習をする事も、積み重ねていけば良い指の訓練になるとおもいます。
 

クラシック的な指の強化は、「自分の意思通りにコントロール出来る指」を育てる事かもしれませんね。
話は逸れますが…
 

わんニャン倶楽部では、躾をして賢くなったワンちゃんが登場する一方、猫も出てきますが、扱いが大分違います。「猫付き旅館」「釣具屋で猫がいっぱい生まれました」「相撲部屋の運気を上げた猫」「お店の看板猫」「ネコ島特集」など…。
阿佐ヶ谷北一丁目のうなぎ屋「川秀」の猫も番組に取り上げられました。
 

番組では、猫に躾を期待しないというか、そこに居るだけの猫を映しておしまいです。何故でしょう、猫は思う通りにならなくても飼い主は許容してしまい、しょうがなくてネコに合わせた生活を送る傾向があります。
 

もし、犬か猫かを選択して生まれ変わるというのなら、猫になって人に飼われたいと思うこの頃です。
話が途中で無茶苦茶逸れてしまいました。すいません、続きはまた書きますね。
 

JAZZの勉強 2

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ジャズ理論は面白いです。勉強はすごく楽しかったです。

クラシックの和声学や対位法は到達すると本当に美しい世界がありますが、エベレストに登るような気になります。芸大和声(赤黄青)でも結構大変で、泣きながらレッスンに行っていましたが、アンリシャランの和声課題集に突入した時に先生のご都合が悪くなってレッスンの継続を断念。少々ホッとした気にもなりました。課題を解くことを中断してしまうと、後は感性が風化する一方です。
 

そういえば、クラシックを主に勉強する音楽大学は「作曲科」が楽器や声楽の「演奏科」から独立しています。職業として「作曲家」と「演奏家」が分離しているので、演奏科の人は、プロの作曲技法を演知らなくてもいい・・ということなのかな?普通演奏科の学生さんは、作曲技法に対しては、ほんの入り口(充分難しいですが。)しか教えてもらっていない状態でOKになっちゃってます。(もちろん、演奏家として活動をしていると、実存している作曲家の作品も演奏する機会があるので、勉強する必要も機会もあります。そういう人には、本当に頭が下がります。)
 

ジャズは使うところだけ勉強していればいいので、逆にジャズに触れている間は理論の勉強をしなくても、感性を忘れてしまう
ことはないし、演奏するのにとても実用的にできています。ということは理論を知らないと演奏できないということになります。前のコラムで書いた「JAZZは頭が良くて、勤勉な人のため音楽」ということは、弾く練習だけでなく、「要机上の勉強」という意味なんです。
 

1・反復練習で「指のテクニック」と「ジャズ的なフレーズ」を覚えていくこと
2・楽器を離れて、演奏の裏付けとなる「理論」を知ること
3・ピアノを演奏するためのテクニックの練習をすること
をバランス良く行えば、挫折しないで進めることができると思います。私はポピュラーの演奏の仕事をしていて、どうしても軽音楽の勉強しないといけなかったので、適当でもなんとか格好がつく状態にしなければなりませんでした。ジャズ理論を学生時代にかじっておいたのが、ものすごく役に立ちました。
 

私はクラシックとジャズの理論を行き来して勉強したので、両方の発想の違いもわかってきました。だからジャズのチャンネルに合わせて音楽するとスウィングするし、クラシックの方のチャンネルを使うとクラシック風のテクニックになります。
発音(タッチ)もまるで違ってきます。ちょっとコウモリみたいですが、両方のジャンルが、なんとなく出来るくらいわかっていて、楽しめるのはいいことだと思うのです。
 

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もし、クラシックが楽しめるような下地があったら、ちょっと手や足を伸ばして、ジャズやポピュラーの楽しみ方も知ると、より音楽が楽しくなると思います。
 

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JAZZの勉強

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眉間に皺を寄せたトレンチコートの黒縁メガネのサラリーマンが、タバコの煙が「モクモク」している暗くて狭いライブハウスで、ニコリともしないで「黙々」と演奏を聴いている…四半世紀前のJAZZはそんなイメージだったそうです。
 

JAZZは自由な音楽みたいですが、頭の良い人がする音楽です。それから、間違いなく勤勉な人がする音楽です。趣味でもクラシックから転向するプロ志向の方も、ロッカーだけど知っておきたいなぁという人も、かなりの量を勉強する必要があります。JAZZはコツコツ長い練習時間を必要とする音楽なんです。「なんちゃってJAZZ」ですらです。いっぱい市販されている「書き譜」を用意すれば何とかなりそうですが、そのまま弾いても不思議な音楽になってしまう事があります。最近の楽譜はCD付きなので、自分が楽譜を見て弾いた物と模範演奏の違いに唖然とする事があります。
 

とりあえずJAZZにしたいなら、スウィングしなければなりません。この予備知識があると、結構それらしく聴こえます。が、自分の音楽がJapaneseな感じ、そう「なんとか音頭」に聴こえると修正の仕方が分からなかったりします。
 

JAZZを弾くには、発想の転換が必要です。まず好きになる事が大切です。スウィング感やコード進行や四度堆積和声、テンションノートがカッコ良いと思えるることが、上達の第一歩です。カッコ良いなと思ったら、真似して覚えます。その真似の仕方が効率が良いと、沢山の手数を覚え られます。そして「あたかも自分自身が作り出したかのように」弾くわけです。ここまで来ると一応なんちゃってJAZZからは卒業証書が貰えそうです。
 

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JAZZの歴史はクラシックより短いです。ニューオリンズで19世紀末から20世紀初頭に発祥したと言われる、アフリカ系の黒人の民族音楽とヨーロッパ系の白人音楽の融合とされています。とても短い歴史なのに、クラシックに、追いつけ追い越せとばかりに発展を遂げ、30年前には既に無調になって、フリーJAZZが出現しました。
 

クラシックの純音楽の作曲家と同様、これ以上新しいものを自分が開発するのは多分無理です。だから、一通りできるようになったら、自分の好きなアーティストやスタイルをとことん勉強する方向に進むんだと思います。
 

JAZZを弾けるようにしたいなら、

ステップ1.自分が弾いた曲が自分で聴いてJAZZに聴こえる。

ステップ2.(たとえ書き譜であったとしても)書き譜を弾いていないように聴こえる。

くらいから取り組むと楽しいと思います。
 

矢野顕子さんも清水ミチコさんも本当に楽しそうに演奏しますよね〜。実は、私は彼等の音楽もJAZZだと思っていて、とても憧れているんです。矢野さんはバリバリのJAZZプレーヤーと共演できるので、ピアノ演奏的にはJAZZプレーヤーになるんでしょうね。
 

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素直さと謙虚さ

すいません、今回のコラムはピアノとは直接関係がないかなぁ・・。
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素直な人は上達が早いと良く言われますよね。それについて。
 

歌のT先生は「家で練習してくるな」と言われます。理由は、勝手に練習して変な癖がついたのをレッスンの度に治すより、毎回真っ白忘れてレッスンに来てくれた方が、よっぽど進歩するから。真っ白と言っても本当に体感して身についた事は覚えているので、その微微たる蓄積は馬鹿にならないそうです。
 

太極拳の先生も同じ事を先週言われました。
 

正しい道筋を指導して、ちょっとはできるようにして帰しても、一週間たったら、バリバリの自己流でバッチリ固めた姿でお稽古場に戻ってくるんだそうで…
 

太極拳の先生は、どんな人もお稽古の内容を練習場に置いて帰ってしまう…と言ってました。しかし、中にはお持ち帰りの上手な人がいて、えらく早い勢いで上手くなる人がいるそうです。そういう人は色々工夫をしていて、コッソリ黒板を写メしたり、ポケットにメモを忍ばせていたりするんだそうです。
 

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レッスンからレッスンの間、自分の思い込みに囚われないように、過ごす事は大変ですね。私は自信がないので、歌も太極拳も家では殆ど練習しません。
 

良い師匠に巡り合っても、その出会いを生かせない人もいます。テノール歌手で声に恵まれていて、お弟子さんを育てる事でも実績のある方でしたが、縁あって伴奏をさせていただいた事がありました。幸にその方の師であるウイリアム・ウー先生のレッスンに同行する事ができました。
 

そのテノールの方は、自分の声に溺れて、先生の言われている事を素直に聞けず、自分を変える事が出来なかったので、何も得られず先生の元を去って行きました。何故か、ウー先生は私の事を可愛がってくれて、あなたは良く分かっていますね。あなたも歌いなさい…と言ってくださったのを嬉しく思い出しました。
 

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先生に言われた事の「端だけ」聞いて、理解した気になる事があります。ちょっと聞いたくらいで、分かるはずはないのです。「私も思ってた❗️」とか「知っています❗️」とか、既にその時点で違う事になっているのです。言われた事を自分の曲解なしにそのまま受け止めるという事は、大変難しい事なのだと、肝に銘じなければいけないですよね。
 

ウー先生は亡くなられていました。そろそろご高齢なので、もしやと思っていましたが…自分が去らなくても、先生が去ってしまう事も有ります。そうなると、もう教えを受けられなくなります。先生とのご縁もいつまで続くかわからないと思って、一瞬一瞬を大切にしたいです。
 

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